「瀬戸内寂聴 紀行文集 五 美のみち」(はてな年間100冊読書クラブ 10/100)

  • 髪をおろす女性は、出家の覚悟も出来ていて‥

肩ひじの張らない、
瀬戸内寂聴さんの文章は読んでいて楽しいですね。
本シリーズも個人的には3冊目になりますね。
今回は「美のみち」ということで、
高野山長谷寺、そして瀬戸内さんが出家を
する模様などを記した紀行文が収録されています。
出家の時とか、まぁかなり昔の話では
あったりしますよね‥(^^;)
もっとも、読んでいてそれほど時代的な古さ等は
感じなかったのですが‥(^^;)
出家をする際の落ち着いた様子などは、
覚悟を決めたと言うか、すっかり悟りの域に達している
と言っても過言ではないかと思います。

  • 生々しい本音の文章も健在‥(^^;)

まぁ、女性にとっては、髪を下ろすことは
男性以上に大きなインパクトがあると思われるため、
それだけの決心が出来ているのであれば、
出家の儀式の際にも動揺はしない、
ということなのでしょうか。
また、厳しい冬を知る前とはいえ、
高野山の雰囲気に対して批判的な言葉を
隠そうとしないところあたりは、
瀬戸内さんならでは、って感じですよね。
前作でも、商売っ気が溢れるお寺に対して、
歯に着せぬ発言をされたりしていましたし‥(^^;)
まぁこういう、生々しい本音が味わえるのも
本シリーズの楽しみ、という感じがしますね‥(^^;)