「自衛隊 変容のゆくえ」(はてな年間100冊読書クラブ 7/100)

自衛隊―変容のゆくえ (岩波新書)

自衛隊―変容のゆくえ (岩波新書)

  • 左側からのスタンスで書かれているので‥

主に現在の、自衛隊の変貌を記している本ですね。
北朝鮮や中国の脅威が明確化するにつれ、
防衛庁から防衛省への拡大、そしてテロやイラク
特別措置法など、全体的に軍備強化への流れにある事が
解説されています。個人的な心情としては、
憲法9条の平和主義を守っていくことには
賛成なのですが、これだけ北朝鮮や中国の
脅威が明確になって来つつある現在では、
軍備強化もやむを得ないかな、と思ったりしています。
そんな私ですが、本書は岩波文庫であるためなのか、
いわゆる左側(憲法9条死守・自衛隊増強反対)
のスタンスで書かれているところが、少々気になりました。
まぁ非常にデリケートというか、
立場がハッキリと分かれるテーマなので、
右側の人にとっては、少々受け入れられない
内容になっていることは、やむを得ないところでしょうか。

  • 日米同盟に基づく、安全保障政策の強化が現実的かも‥

米軍との共同訓練など、日本の自衛隊は今や
米軍と共に戦える組織へと
変貌しつつある事が実感できました。
まぁ、北朝鮮はともかく、中国は
今のアメリカに対してケンカを売る可能性もあるため、
極東の米軍の配置を減らす訳にはいかないでしょうし、
加えてそれは、日本にとっても命綱になり得ますからね。
著者は本書で「憲法9条を維持した上での安全保障政策」
を訴えています。しかし逆に私にとっては、
中国や北朝鮮の脅威を鑑みる限りでは、
現在の東アジアでは、穏健な機運は望み得ないため、
日米同盟に基づき、安全保障政策を強化する事が
必要なのではないかな、と思ってしまいました。
もっとも、憲法9条の改憲には
個人的には忍び腰なのですが、
日米同盟を強化していく以上は、憲法9条の改憲は、
避けられない道になりそうですよね‥(^^;)