「トプカプ宮殿の至宝展」

名古屋市博物館で開催されていた、
トプカプ宮殿の至宝展」を見に行って来ました。
トプカプ宮殿は、中世にイスラム地域から
東欧まで勢力を伸ばした、
オスマントルコ帝国の王宮です。
オスマン帝国は、ビザンツ帝国東ローマ帝国)を滅ぼして
ヨーロッパとアジアの境である交易の要所
コンスタンティノープルを手中に収めて
繁栄を極めた帝国です。大帝国の宝物だけあって、
豪華な至宝が沢山収められていましたね。

  • 偶像は無く、また至るところにコーランの一節が‥

特徴として印象に残ったところは、
イスラム教では偶像崇拝を禁じていたため、
宗祖ムハンマドや、あるいは歴代王の銅像など、
造系のものは一切無いんですよね‥
なるほど、偶像崇拝とはこういうことなのだと
改めて実感させられました。
また、武器からお産の際に使うベッドまで、
色々な物にイスラム教の経典である
コーランの一節などの
宗教的な言葉が刻まれていたりしていました。
そこから、イスラムの信仰の深さを
窺える思いがありました。
オスマン帝国の皇帝(スルタン)は、
イスラムの宗教的指導者である
カリフも兼ねていましたから、
イスラム教を深く信仰するのは
まぁ当然とは言えますけどね‥

  • 文字はさっぱり読めません‥文化が違うなと実感

また、古代の楔形文字に似ていて、
とても読めないイスラム文字(アラビア文字)で
書かれた書物などを見たりしているうちに、
イスラム教の文化というものは
日本の文化とは全く違うな、ということを
実感させられたりしました‥
最近ハンドボールで「中東の笛」問題が
マスコミを賑わしていますけど、
「そんな奇怪な現象が罷り通るのも、
この文化圏なら無理はないかな」
という感じがしてしまいました‥(^^;)
まぁこれは余談ですけどね。

  • 「至宝」は宝石が惜しげもなく使われて‥

そんな、イスラム文化も実感出来る
今回の展示会の最大の見どころといえば、
やはり展示会のタイトルにもなっている
「至宝」でしょうか。
ダイヤモンド、ルビー、サファイアなど
宝石が惜しげもなく使われており、
またその大きさの大きいこと!(笑)
妃の多産を祈るために、金貨を沢山ぶら下げた
金満ネックレス(笑)なんてのもあったりしました。
加えて各種の細工も細かく、さすがは王家用として
手間暇がかけられたものって感じがしました。
貝(螺鈿)を使ったものもあり、
日本の正倉院宝物に通じるものも
あるって感じですね。
シルクロードを通じて、交易や文化交流が
進んでいた事が実感出来ました。
王家としては、逆に宝石類は見慣れていたためか(笑)
一方で中国の陶磁器に魅せられたりもしたそうですね。
私だと、陶磁器よりもずっと
宝石のほうに価値を感じてしまうのですが(笑)
はるばる遠く中国から取り寄せたということで
その距離的なプレミアムもあったのでしょうか。

  • もっとも、王家もハレムも権力争いは大変‥

まぁ、王家では権力争いを防ぐために
後継ぎ以外の兄弟は殺されてしまったり
(後継がいなくなってしまう事象が発生したため、
後には兄弟相続されるようになったとか)
また、「ハレム」の語源でもある王宮ですから、
後宮の女性たちはスルタンの寵愛を得るために
大変だったようではありますけどね。
陰謀によって追い落とされたりとかもしたようです。