「若者を喰い物にし続ける社会」(はてな年間100冊読書クラブ 151/100)

若者を喰い物にし続ける社会 (新書y)

若者を喰い物にし続ける社会 (新書y)

  • 弱者のはずの高齢者が、実は最も強者だった‥

若者と年長者では、年長者が弱者扱いされて
保護されるような施策が取られているのが
現在の日本の政治ですが、
この本は逆に「若者こそ弱者であり、年長者から
差別を受けている存在である」としていますね。
就職氷河期など、苦戦を強いられてきた
二十代後半から三十代前半の世代に
受入れられそうな内容に仕上がっています。
逆に批判されている高齢層の方々が
間違えてこの本を手に取ってしまうと、
著者への怒りを抑えられない、
という感じでしょうな‥(^^;)

  • 高齢者優遇体制の見直しが必要な時代に‥

年長者のほうが投票率が高いこと、
そして政策を司る政治家の面々も
お年を召した方が多いこと、
そして昔は高齢者の数自体が少なかったこと、
こういった理由によって、高齢者を優遇する
現在の体制が出来たことと思います。
しかし、急激な少子高齢化社会が進んで、
年金制度をはじめとした
「高齢化優遇政策」は見直しが必要に
なってきていますね。しかし、当の高齢者は
「自分の世代だけは従来通り厚遇を受け(=逃げ切り)、
ツケは後世代に先送り」という考えで
責任逃れを図っているとのことです。

  • 今も未来も恩恵を受けられなさそうな予感‥

この本を読んで一つ得心がをいったのは、
日本では少子化社会はここ最近はじまった
出来事ではなく、既にかなり昔から
その傾向があったこと(=従って、現在の中高年も
少子化の元凶になり得ること)ですね。
確かに少子化自体はずっと昔から言われてきていた
ような気がしていたので、本書の説明に
納得出来たような気分です。
確かに、思い通りに就職出来なかったことによる
経済状況に起因する未婚・晩婚化は
ここ最近顕著になってきていますけどね。
しかし、私の世代にとっては、
現在は過去からの高齢化優遇社会のツケに苦しめられ、
自分が高齢者になる頃には、逆に現在の
「高齢者一人勝ちモデル」が無くなりそうな感があり、
(というか、そうならざるを得なくなるでしょうね‥)
つくづく割に合わない世代だよなぁ‥
と実感してしまいました‥(^^;)
まさに「貧乏クジ世代」ですな。

  • ただ、若者政策に舵を切ることは必要‥

ここ最近ずっと思っていることですが、
年金などはあてにせず、自分の生活費は
自分で稼いで、残しておく必要がありそうですね。
ただ確かに、これだけ少子高齢化・未婚晩婚化が進み
若者にとって未来に希望が持てない時代に
なってしまっているだけに、日本の活力を
取り戻すためには、若者に対する政策に
力を入れないといけない時期に来ているのでしょうね。