「クラッシュ・ブレイズ ソフィアの正餐会」(はてな年間100冊読書クラブ 149/100)

  • 女子高に潜入?しかし実際は前回の黒幕の追及

前作「オンタロスの剣」の続編というか、
その謎解きが中心になっていますね。
今回は、主人公の一人であるルウが
「女子高に転校してみる」などと言い出したりして
のんびりと&少しエロチックな(笑)展開で
始まりますね。もっとも実際のところは
前作で危うく消滅の危機に陥ったルウが、
黒幕の追及と復讐を兼ねていた潜入であった‥
という感じですね。復讐を兼ねて潜入、
なんて聞くと、敵方とのスリル溢れる
息詰まる攻防とか、ありそうですよね。

  • 敵方との攻防はあっさり終わるため(笑)そこまでの過程がメインかな

しかし、本シリーズの主人公の、
金銀黒の天使たち(ルウ・リィ・シェラ)は、
まさに天使のごとく、
自らが圧倒的な戦力を持っています。
そして前作のように、例え消滅の危機にあっても
すぐ復活を遂げてしまう位ですから、
実質無敵なんですよね。真犯人さえ判明してしまえば、
後はたやすくリベンジが可能なんですよね‥
そういう意味で、敵方との攻防は
あっけなく終わってしまうため、
このシリーズでは、攻防に至るまでの過程が
メインディッシュである、とも言えますね。

  • 後味の悪い結末で、少しげんなりです‥

本書では、ルウとシェラが女子高へ潜入し、
リィが姉妹関係にあたる隣接の男子校に潜入
という感じで、女の園&男の園(笑)で起こる
赤裸々な事件(同性愛など)を描いたりして、
まぁ過程としてはそこそこ面白く読めたかな、
という感じですね。ただ、発端となった前作の
事件の真相はとても生臭いというか、
後味の悪いものでしたね‥黒幕は生に固執する
ジジイどもでしたが、事件に至った真相は
まさにジジイの妄執、という感じの内容でした‥
しかし、女性の作者がこういう内容を書きますか‥
ネタバレもあるので詳細は書きませんが、
コミック化にはちょっと向かないかな、
という感じの内容って感じがしましたね‥
上記のように、敵方との攻防が
非常にあっさりと終わってしまうこと、
及び事件の真相が非常に後味の悪いもの
だったこともあって、読了後は
どうにもスッキリとしないものが
残ってしまいましたね‥ただ、さすがに著者も
この内容はどうかと思ったのか、
本シリーズの次作「大峡谷のパピヨン」は
一転して生臭くない、痛快なストーリーに
仕上げていますね。