「現代の貧困」(はてな年間100冊読書クラブ 146/100)

現代の貧困―ワーキングプア/ホームレス/生活保護 (ちくま新書)

現代の貧困―ワーキングプア/ホームレス/生活保護 (ちくま新書)

  • 格差だけではなく、貧困も広がって‥

タイトル通り、現代の貧困問題について
取り上げている本ですね。
最近はワーキングプアなどの「格差社会」が
話題に上ることは多いですが、
生活保護などの貧困問題については、
あまり取り上げられることは
少ないって感じですね。この本では、
格差社会が進む現代において、
貧困層も増加している事が取り上げられています。
病院にかかる事が出来ないため、
病気を治療する事が出来ずに、
病状が悪化したり、といった
深刻な様子も描かれていますね。

  • 新聞でも時々、貧困層の記事を目にしますよね‥

また、貧困が故の自殺や児童虐待
増えていることも報告されています。
貧困の家庭では、子供に十分な教育を
受けさせる事が出来ずに、結果的に子供も
貧困層から抜け出せない‥という悪循環が
繰り返されているケースもあるようです。
そういえば、時々老夫婦の自殺や
衰弱死などが取り上げられていたり
することもありますね。
生活保護が打ち切られて困窮していた、
あるいは貧困で健康保険に加入していないため
病院に行く事が出来ず、病気を苦に自殺‥
なんてケースが時々新聞等でも
報道されていたりしますね。
私も目にする度に、「こうなってしまう前に
公的な支援など、もう少しなんとか
ならなかったのか‥」と思います。
しかし現実としては、市役所の職員が
上記の自殺した人の支援の懇願を
すげなく払いのけたりしていた、という内容の
記事もあわせて掲載されていたりしますよね‥

  • テレビや新聞では得られない発見もありますね

また、この本では、海外の貧困の研究結果なども
取り上げられており、「貧困の研究」と呼ぶに
相応しい内容になっています。
こうした、現実に起こっていることに
焦点をあてて書かれたルポルタージュ的な本は、
読んでいて面白く、勉強になりますね。
また、新聞やテレビなどのマスコミ報道だけでは
見えて来ないような事象を知る事が出来て、
個人的には視点が広がっていいことだな、
と思ったりもします。
ただ、本の場合は、著者の主観・主張が
盛り込まれる事が多いので、
なるべく多くの本を読んで、知識が偏らないように
しないといけないな、と思います。