「ナハトイェーガー 〜菩提樹荘の闇狩姫〜」(はてな年間100冊読書クラブ 144/100)

ナハトイェーガー ~菩提樹荘の闇狩姫~ (GA文庫)

ナハトイェーガー ~菩提樹荘の闇狩姫~ (GA文庫)

  • 著者のネームバリュー+良さげなイラストで、つかみはOK?

著者の涼元悠一さんは、
人気PCゲーム「CLANNAD」などで著名な
「Key」のシナリオライターですね。
その著者ということでがあったことと、
あとイラストもなかなか良かったので、
合わせ技で(笑)手に取る事になりました。
本書のイラストレーターの方は、
これがデビュー作だそうですけど、
人気が出そうな感じがしますね。
売れるライトノベルの基本は、
きっちりと押さえてあるな、と思いました。

  • キャラは魅力的ですね、あと百合的な要素も取り入れられています‥

ストーリーとしては、平凡な女子高生・白河恵那の前に
突然フレイヤと名乗る、ちっちゃな姫君が現れて
恵那はフレイヤと共に、事件に巻き込まれていく‥
という展開ですね。恵那とフレイヤは魅かれあい、
そしてライバル・早花月這子とフレイヤ
恵那を奪い合う‥という百合的な要素も
取り入れられていますね‥(^^;)
恵那を慕う後輩もいて、彼女もフレイヤや這子に
ライバル意識を燃やす‥という場面もあります(笑)
女子高が舞台のためか、そういえば男性キャラは
あまり出てこないですなぁ。
もっとも、フレイヤの傍にはメイドさんを配置するなど、
読者としては男子中高生を想定していそうですけどね。
お嬢さまぶりを発揮するフレイヤ
鈍感だけど大人気の恵那、
その恵那を見守るしっかりした親友、
そしてフレイヤに忠実に使えるメイドさんなど、
キャラクターを立てることは、出来ていたという感じですね。
読んでいて、思い入れは出来ました。

  • ストーリー的には、終盤あまりに急展開過ぎて‥

ただ、ストーリー的には、這子が登場して来たあたりから
少々急展開となって、ついていけなかったような
感もあったりしてしまいました‥
例えば、序盤は文章中にドイツ語が沢山出て来たりして、
フレイヤは世間離れした異国の姫」
という印象を与えることには成功しています。
しかし、ストーリー上の根幹を成すと思われる、
フレイヤや這子は、いわば「時をかける少女
という存在であること、そのあたりが
十分に説明しきれていなかった感がありました。
そこが、終盤の急展開に繋がってしまっているのかな‥と。
まぁ著者が、これがはじめての小説、
ということもあるのでしょうけど。