「マリア様がみてる 薔薇の花かんむり」(はてな年間100冊読書クラブ 142/100)

マリア様がみてる 29 薔薇の花かんむり (コバルト文庫)

マリア様がみてる 29 薔薇の花かんむり (コバルト文庫)

  • 祥子さまの目の前で、ロザリオの授受を‥

表紙、そして本の帯に書かれている
煽り言葉の通りに(笑)、遂に福沢祐巳ちゃんと
松平瞳子ちゃんが正式に姉妹になりましたね。
祐巳さんのお姉さま・小笠原祥子さまの
目の前でのロザリオ授受、というのも
瞳子ちゃんが祥子さま・祐巳さん双方とも
既知の間柄であり、また姉妹になるまでに
色々と紆余曲折があった顛末の報告、
という意味でも相応しい儀式のような
感がありましたね。でもほんま、
レイニーブルー」事件(笑)から
ここまで長かったですな‥
細川可南子ちゃんの登場で祐巳さんの
妹の行方が混沌としてきたり、
一度は瞳子ちゃんは祐巳さんの申し出を
拒絶していますし、そして選挙への立候補とか
色々ありましたからねぇ‥
そんな瞳子ちゃんですが、
祐巳さんが最終的に決め、選んだ」
ということで、もう妹(=次期つぼみ)に
することへの反発等は無かったですな。
正式に妹になってから、まずは瞳子ちゃんから
瞳子と呼んでください」宣言をしたりして、
この姉妹は今後、姉の祐巳さんよりも妹の瞳子ちゃんが
先手を取る事が多くなりそうだよなぁ‥
なんて予測出来たり(笑)してしまいましたね。

  • またまた乃梨子ちゃんへの好感度が上昇‥(笑)

そんな陰で、瞳子ちゃんに思いを寄せていた
演劇部の部長が祐巳さんと一触即発しそうな
場面も描かれていたりしました。
実った恋もあれば実らぬ恋もある
(ってこのシリーズの場合は女の子同士ですけど‥笑)
基本的に一対一の関係である恋愛が絡んでしまうと、
登場人物全員がハッピーエンドになるというのは、
ほんま難しいって感じですな‥
あと、今回もまた二条乃梨子ちゃんが
良いキャラしていますね〜。
親友の瞳子ちゃんが、遂に祐巳さんの妹に
決まって嬉し泣きしたりする
乃梨子ちゃんのシーンが描かれています。
妹になる前も、素直になれない瞳子ちゃんの
肩をそっと押してあげたりとか、
お互い不器用な新・紅薔薇姉妹の
フォロー役として頑張っていましたよね。
しかし乃梨子ちゃんは、もともと仏像好きで(笑)
キリスト教系のリリアン女学園には
馴染めずに孤高を保っているという設定の
キャラだったと思います。
しかし今では、親友の世話を
甲斐甲斐しく焼いたりして、
すっかり人の良いキャラになっていますね。
瞳子ちゃんは、ほんまええ友達を持ったものです。
最近、そんな乃梨子ちゃん
(&乃梨子ちゃんと藤堂志摩子さんの白薔薇コンビ)
への好感度が、個人的に急上昇中です‥(^^;)

そんな今回は、瞳子ちゃんの妹ネタだけで
お腹一杯かと思いきや、「3年生を送る会」
の準備も着々と進んでいますね。
祐巳さん・島津由乃さん・志摩子さんの
次年度の「新薔薇さま」と、
乃梨子ちゃん・瞳子ちゃんの「新つぼみ」達が
立派に山百合会の活動を回している
様子が窺えたりしています。
いよいよ祥子さまと支倉令さまの
現3年生ともお別れの時も近いんだなぁ、
とひしひしと実感しますね。
一方で昨年卒業した前白薔薇さま佐藤聖さまが
ドリンクを差し入れたりする挿話が
織り込まれていたりしましたね。