「瀬戸内寂聴 紀行文集4 巡礼みち」(はてな年間100冊読書クラブ 138/100)

瀬戸内紀行文集4巡礼道 (平凡社ライブラリー)

瀬戸内紀行文集4巡礼道 (平凡社ライブラリー)

 

  • 尼さんの巡礼記ですが、内容は割と庶民的に

瀬戸内寂聴さんの紀行文を集めた本ですね。
この第4巻は巡礼を取り上げており、
私はこの本に取り上げられている
西国三十三箇所の巡礼を
途中まで進めていることもあって
興味深く読んでみました。
瀬戸内さんといえば、作家として周知ですが
自ら出家もしている尼さんです。
その瀬戸内さんの著書なので、
この本の巡礼の内容も
もっと求道的な内容なのかと思いきや、
意外と庶民的な巡礼記でしたから、
一般人の私でも普通に読む事が出来ました(笑)

  • 人間的な親しみ易さが、瀬戸内さんの魅力かな

その一般人的な内容というのは、例えば、
次の巡礼所までの地図を20円で
販売していたことを取り上げて
「これ位接待(無料)にしてくれれば良いのに」
と愚痴っていたりしているところとか‥(^^;)
あと、拝観料を支払う時に
同時に納経料も徴収する
お寺に苦言を呈している場面とか。
出家をしていれば、そのようなお金の勘定など
既に超越した域にいらっしゃるのかな〜
なんて思っていましたから(笑)
そのような人間的な親しみ易さが、
瀬戸内さんの魅力なのでしょうね。
専門的な仏教的な内容を書かれても、
一般人にとっては解らない&つまらないでしょうから。
西国三十三箇所の結願の谷汲寺では
老夫婦の力になってあげたりするエピソード
なども織り込まれていますね。