「彩雲国物語(11) 青嵐にゆれる月草」(はてな年間100冊読書クラブ 137/100)

 

  • 王・劉輝に結婚話が持ち上がり‥

この「彩雲国物語」、新シリーズも3冊目になりますね。
御史台で働き始めた主人公・紅秀麗は、
相変わらず同僚のライバル陸清雅と張り合いながら、
そしてタンタン君こと蘇芳と一緒に頑張りながら
仕事をこなしていっていますね。
今回は、秀麗一筋で独身を通してきた、王・劉輝に
名門の藍家からお姫さまを嫁がせる話が出て来ます。
秀麗一筋の劉輝は、嫁を取るのはもちろん嫌なのですが、
藍家からの申し出をすげなく断るわけにもいかず、
返答に困ることになりますね。ただこのお姫さまは
単なる大人しく嫁入りするようなお姫さまではなく(笑)
嫁入り道中でも周りに波紋を巻き起こしてくるように、
はっちゃけお姫さまって感じですな‥(^^;)
姫の暗殺を狙う勢力とのバトルや、
王の側近で藍家出身(姫の実兄にあたる)
藍楸瑛を巻き込んで、ストーリーは進んでいきます。
秀麗は姫の身代わりとなることを命ぜられたりして、
陰謀に巻き込まれていくという感じですね。

  • 藍楸瑛の気持ちの揺れ動きが‥

本巻のメインは劉輝の嫁取り問題かと思いきや、
むしろ王への忠誠と、藍家への忠誠との間で
板挟みになっている藍楸瑛の気持ちの揺れ動きが
中心なんだなって感じですね。
プレイボーイである楸瑛の思い人が
誰であるのか判明したりしていますね。
そして、家に縛られている楸瑛を通じて、
楸瑛の親友・李絳攸が、紅家に縛られずに
王に対してのみ忠誠を誓える状態にある、
という面を打ち出していますね。

  • 紅黎深が実は一番王思い‥?

紅家の当主・紅黎深はこれまで基本的に
「王にはつれない態度を取り」また、
養子の絳攸に「紅姓を与えない」ことによって
絳攸もこれまで悩んでいたりしました。
しかし、王の大事な側近であったはずの楸瑛が
このように王を切り捨てて藍家に戻ってしまう状態に
なってしまった事を考えると、
黎深のこれまでの態度は、むしろ一番
「王思い・絳攸思い」の行動だったのかもしれないですね。
実は黎深、ひょっとしてツンデレだったとか?(^^;)
‥って黎深は兄の紅邵可や姪の秀麗に対しては
デレデレですから、それはないでしょうね‥(笑)
ただ全体的に本書を通じて、
ストーリー的に大きな進展は無いかな
という感じがしてしまいました‥
次巻では、自分の元を離れた楸瑛を
劉輝が取り戻しに行く、という感じの
ストーリーになりそうですね。