「ビジュアル版 日本の古典に親しむ1 源氏物語」(はてな年間100冊読書クラブ 134/100)

 

  • 最近は「宇治十帖」に惹かれつつあって‥

「ビジュアル版」とある通り、写真が豊富に収録されており
非常に解りやすい「源氏物語入門」ですね。
まぁ私は、源氏物語のあらすじ等は大体知っていますけど、
それでも楽しんで読む事が出来ました。
源氏物語というと、主人公の光源氏と、
光源氏を取り巻く若紫(紫の上)に代表される
ヒロイン達との恋愛遍歴が中心に据えられます。
しかし最近私は、本編よりも別編の「宇治十帖」のほうに
惹かれるものを感じてしまいますね‥

  • 宇治十帖の主人公の薫は、悲劇的な恋の遍歴を重ねて‥

宇治十帖では、光源氏は既に亡き人であり
光源氏の子(但し実の父は柏木、という不義の子)の薫が
主人公となっています。しかしその薫は、
その秘められた出生故にか、なかなか恋が成就しないという
悲劇的な運命をたどってしまいます‥
好きになった大君や浮舟と
最後まで結ばれることの無い有様は、
薫のライバルとされている匂宮とは対象的ですよね。
匂宮は、薫の想い人である浮舟を騙して
密会してしまうような、そんな行動力があるので、
中君をはじめとして、女性を次々にゲットしていきます。
しかし、薫は出生の暗い過去もあるためか、
匂宮ほどの行動力が無くて、出遅れてしまうんですよね‥(^^;)

  • 源氏物語」読むたびに新たな気づき・発見があって‥

そんな薫の様子が、現実の私の置かれている状況に
重なっているため(笑)最近は宇治十帖に惹かれているなぁ、
という感じです。最後は浮舟が入水&出家してしまい
薫の恋は今回も実らない、という悲劇で終わるところも、
最後はハッピーエンドという物語の定説を
崩しているという感じで、共感を誘うものがありますよね‥
まぁ私としては、薫のように恋が成就せぬまま
終わるのではなく、最後には真実の愛をつかんでみたいとは、
常々願っているんですけどね‥(^^;)今のところは
なかなか道は険しいなぁ‥という感じですな。
閑話休題、この本の話題に戻ると(笑)
最近はそんな思いを抱くようになったこともあり、
源氏物語のストーリーを最初から追ってみると、
また新たな発見というか、思いを持って
読む事が出来ますね。長編の古典を手軽に
振り返る事が出来て便利だな〜という感じです。
源氏物語」は宮中内で繰り広げられる物語、
ということもあるので、御所の見取り図とか、
ビジュアル面での助けが欲しいところでもありますし‥