「風は山河より 第三巻」(はてな年間100冊読書クラブ 133/100)

風は山河より 第三巻

風は山河より 第三巻

 

宮城谷先生による、はじめて日本史を取り上げた
本シリーズも3巻目になりますね。
1巻目にあった、松平清康の破竹の快進撃も今や昔、
松平家は今や風前の灯という感じですね。
当主の松平広忠は、嫡子の竹千代(のちの徳川家康)を
今川家に人質に差し出して、
その援助を請うことになりました。
今川家を牛耳っているのは、
現在TVの大河ドラマ風林火山」でも活躍している
雪斎禅師ですね。手強い軍師の雪斎が相手では、
簡単には今川家の援助が期待できる訳も無く、
松平家も代償として嫡子を差し出さざるを得なくなった、
という感じですね。

  • 頼みの松平家の衰退により、主人公・定村も難しい立場に‥

そんな中で、本シリーズの主人公の菅沼定村は
苦悩する様子が描かれています。
頼みにしていた松平家は衰退し、
一方で他国の今川家や織田家に誼を通じるよりは
同じ三河松平家のほうが親近感がある
‥という感じで、松平家の低迷が続く
今後暫くは、定村も難しい運営を強いられそうですね。
雪斎禅師を先陣とした、今川家による三河侵略も
着々と進行している感がありますし‥

  • 昔の中国モノよりは、熱中度が下がるかな‥と思ったりしています‥

ただ、本シリーズについては、
宮城谷昌光先生の昔の中国史モノに比べると
そこまで熱中するという感じはないですね‥
松平家の苦難とか、徳川家康の伝記あたりで
周知のことなので、今後の展開が読めてしまうとか
そういう条件はありますけど‥
確かに主人公の菅沼定村は、
本シリーズを読む限りでは優秀な人材だとは思いますが、
その魅力がもう一つ描き切れていないような
そんな感じがしてしまいました‥