「線路にバスを走らせろ 「北の車両屋」奮闘記」(はてな年間100冊読書クラブ 129/100)

線路にバスを走らせろ 「北の車両屋」奮闘記 (朝日新書 56)

線路にバスを走らせろ 「北の車両屋」奮闘記 (朝日新書 56)

 

  • JR北海道の、技術者のDMV開発に賭ける執念を描く‥

JR北海道が開発した、線路と道路の両方を
走ることの出来るDMV(デュアルモードビークル)の
開発話が本書の中心になっていますね。
もし現在まで、NHKテレビで「プロジェクトX」が
放送されていれば、取り上げられること間違いなし
という感じの、熱い内容のストーリーに仕上がっていました。
JR北海道・四国・九州の三社は、経営的にも厳しく、
新車を開発する余力は、資金的にも需要的にも
少ないのではないかと思っていました。
そんなJR北海道において、鉄道を守るために
車両自体及び運営のコストが低い
DMVを導入するために奮闘する、
JR北海道の鉄道技術者の執念を描いていますね。
技術者としても、潰れる可能性もあるような
JR北海道で細々と開発を続けるよりは、
JR東海や東日本といった本州三社において、
新幹線車両の開発に取り組んで、
スピードの可能性を追求するほうが
楽しそうなのではないかと思ってしまいます‥(^^;)
しかし、この本に取り上げられている
技術者たちは違っていましたね。

  • 一つ一つ困難を乗り越え‥技術者の知恵は凄いなぁ‥と

車両の軽量化などの問題に加えて、
北海道では降雪の影響も加味しなければならず、
DMVの開発は一筋縄ではいきませんでした。
開発の過程で山あり谷ありといったところは
まさに「プロジェクトX」を思い出させますね。
ぶち当たった苦難を一つ一つ克服していく様子は、
まさにドラマチックというか、
技術者の知恵・執念の凄さを見せつけられる思いでした。
もっとも、個々の技術的な話になると、
文系人間の私には、正直あまり解らなかったのですが‥(^^;)
DMVの他にも、所要時間の短縮を目指して
車両の高速化を図るために振り子列車を開発する
過程などが取り上げられていましたね。