「風は山河より 第1巻」(はてな年間100冊読書クラブ 128/100)風は山河より 第一巻作者: 宮城谷昌光出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/11/30メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (17件) を見る 

  • 2巻の後に1巻を読むことに‥

このシリーズ、実は今回の1巻よりも
2巻を先に読んでしまっています。
図書館で借りる関係上、順番が逆になってしまいました。
もっとも、小説にしては珍しく、
それほど支障は無かったですね‥(^^;)
この1巻で主役を張っているのは、
徳川家康の祖父にあたる松平清康であり、
その清康は1巻の最後で亡くなっており、
2巻からは場面が変わっていることも
影響しているのかな、と思います。
この小説の全体を通じた主人公は、
前にも書いたとおり、菅沼定則のようなのですが、
この1巻で主に描かれているのは、
前述のように松平清康となります。

  • 若さゆえもあり、それほど英雄とは思えなかった松平清康

清康が三河で頭角を現し、渥美半島に位置する
戸田氏などを味方につけ、隣国の尾張に進出を
図る途中で凶刃に倒れるまでを描いていますね。
清康は稀代の英雄とも言われていますが、
今回描かれている、三河統一に向けての戦においては、
信頼出来る一族の家臣をむなしく戦死させたりしており、
また伯父との折り合いがあまり良くなく、
戦争の際に協力が得られなかったりしており、
正直そこまでの名将ではなかったのではないか、
とも思えてしまいました。まぁ著者は、
三河武士は駆け引きなどはせず、ひたすら実直に
戦うことだけを考えていたから、戦死してしまった。」
と言いたかったからなのかも知れませんが。
そんな感じで、若さゆえの至らない考え方等も
あったりして、正直清康にはあまり思い入れは
出来なかったかな、という感じですね。
戸田氏を味方につけるくだりは、
緊迫した場面もあったりしたのですが‥