「女は男のどこを見ているか」(はてな年間100冊読書クラブ 122/100)

女は男のどこを見ているか (ちくま新書)

女は男のどこを見ているか (ちくま新書)

 

  • 正直「騙された」という感が否めず‥

タイトルからすると、女性に対するアンケートを元に
「女は男のどこを見ているか」という論点で
分析している本なのかな、と思えます。
しかしこの本は、全編にわたって、
著者の独自の理論が展開されていますね。
著者の理論を要約すると、以下のようになります。
「男は自分で心の成長を成し遂げなければならず、
そして成長した男は女性の心を救わなければいけない。
そのために「英雄体験」が必要である。」という感じですね。
この本の全編が、この著者の独自の理論に基づいて
構成されているため、理論的には一本筋が通っていますけど、
少しくどいという感もありますね。
加えて、タイトルからの乖離もあって、
個人的にはもう一つという感じでした。

  • 女性は男性による心の開放を待つだけ‥?

上記の著者の理論に賛成の立場であれば
この本は面白いと思いますが、
反対というか、完全には納得出来ないという
スタンスに立つ私にとっては「これはどうかな」
という思いもありました。
この著者の理論、「女性は男性の助けを待つのみ」
という感じであるため、女性の方は読むと反発を
覚える内容かもしれません。
また、昔のような「黙って俺について来い」風潮の
男尊女卑の世の中ならともかく、
今の時代でこの内容はちょっと受入れられない
のではないかと思います。
また、「男性は自分で心の成長をし、加えて
女性の心を救い出さなければならないのに、
女性は待っているだけというのは、楽なものだな‥」
という印象も受けてしまいますね。