「風は山河より 第2巻」(はてな年間100冊読書クラブ 108/100)

風は山河より 第二巻

風は山河より 第二巻

 

中国歴史小説で著名な宮城谷昌光さんによる
日本史を題材にした初めての小説になりますね。
著者の故郷である三河出身の英雄・徳川家康
‥かと思っていたら、その家臣の菅沼定則なんですね。
私も日本史はかなり好きなほうなのですが、
それでも知らない人物が主人公なので(^^;)
感情移入的にはもう一つだったりします。
しかし、宮城谷先生の持ち味である、読みやすい文章は
健在って感じですね。また戦国時代は、
同じ一族が親戚同士で敵味方に分かれて
争っていたりするため、似たような名前の人物が
大勢登場して、ごっちゃになったりしてしまいますね。

  • 愚直な三河武士は戦場では強く‥

ただ、ストーリーは菅沼家の主家に当たる
徳川家康松平家を主体にして進んでいきますね。
稀代の英雄・松平清康が志半ばで凶刃に倒れ、
松平家は混迷を深めます。
後継ぎとして家康の父にあたる松平広忠
立てられますが、実験を握ろうとする伯父達の
圧力を受けて、三河を脱出したりする羽目になります。
そのスキを突いて、尾張織田信秀(信長の父)や
駿河今川義元三河への進出を図ろうとしますね。
三河の諸豪族は、織田につく者があれば
今川に心寄せる者もあり、お互い疑心暗儀状態に
なってしまいますね。
この本で描かれているところとしては、
そんな乱世の中でさえも、主家を奉じて忠勤を励む
三河武将の愚直さってところでしょうか。
そんな三河武士だからこそ、宿敵尾張織田家
勢力的には押されながらも、戦場の場においては、
松平軍が織田軍よりも強かった要因に
繋がっているのかもしれないですね‥