「終焉の詩 フェンネル大陸偽王伝(7)」(はてな年間100冊読書クラブ 104/100)

終焉の詩 フェンネル大陸 偽王伝 (講談社ノベルス)

終焉の詩 フェンネル大陸 偽王伝 (講談社ノベルス)

  • シリーズ完結編、大陸全土に平和が訪れ

シリーズ完結編、ということで、
今まで謎に包まれていた、シスタスによる
他国侵略の理由などが明らかになっていますね。
そしてシスタスは侵略を止めて和議を結び、
大陸全土に平和が訪れて大団円‥という感じの
エンディングとなりました。
ただ、本シリーズは終了したものの、
物語としてはまだまだ新シリーズとして続く模様で、
登場人物の一人・サチの正体など、
まだまだ解らない部分も多く残されているかな、
という感じですね。そして主人公・フェンベルクの
この旅の目的は何だったのか、
(=何故母国を追放されたのか)
という肝心なところが、結局不明のままでしたな。
他国の様子を生で見ることにより、フェンベルクの
見聞が広がったとは言えるかもしれませんが。
そういう意味では、大団円とはいえ
謎は残ってすっきりとはしないですね。
まぁそのあたりの謎の解明は、
新シリーズに持ち越しなのでしょうけど。

「シスタスの他国侵略は皇王の意志」
という噂を聞き、フェンベルクは皇王に直接会って
侵略の真相を聞くためにシスタスに向かいます。
そういえばその際に、皇王に対抗するため
偽王を名乗ったりもしましたね。
そしてシスタスの中枢で真実を知る、という展開でした。
皇王自体は傀儡に過ぎなかったこと、
そしてシスタスの侵略の理由などが
明らかになっていきます。
ただ、ラビッジ王・リノの姉の前王・ローゼル
生きていた、という展開はあまりに意外って感じでした。
何年間も意識不明だったローゼルが、
名医の手により突然意識を取り戻す‥
というのはちょっとどうなのかなと。
大団円のしすぎ(^^;)という感じは否めませんでしたね。
このあたりは小説だから、著者の意向により
なんでもありという展開になるとはいえ、
あまりにハッピーエンド過ぎても、
少々興ざめのところがあるかな、って感じです。