「なぜ、あの会社は儲かるのか?」(はてな年間100冊読書クラブ 102/100)

なぜ、あの会社は儲かるのか?

なぜ、あの会社は儲かるのか?

  • 身近な企業の儲けの仕組みを解説

経済というか、現代の企業の経営のことが
非常に解り易く書かれている本って感じですね。
身近な企業の例を出して、
その会社がなぜ儲かっているのかを
解き明かしています。身近な例だけあって
非常に解り易いですよね。
二人の著者の共著だそうですが、
その二人は会計と経営戦略の専門家だそうです。
二人のコラボレートが上手く成功した感のある
本って感じですね。

  • 高級路線は儲かるとは限らない、稼いだお金をどう使うか‥

「差別化・高級路線は必ずしも儲かるとは限らない」
ということで、高級路線の帝国ホテルの利益率が
廉価路線の東横インを下回っている例を挙げています。
(差別化・高級化には、それなりの維持コストがかかるとか‥)
その他にも、「本業」を失った会社がどう立ち直ったのか
廃業に追い込まれた、レコード針の「ナガオカ」と
立ち直った「吉野家」「富士フィルム」の例を
取り上げています。また、最近は
スティール・パートナーズに代表される
物言う株主」が話題になっていますが、
稼いだ現金をどのように使っているのか
解説した章もありますね。(任天堂はキャッシュで溜め込む)

  • これが現代の「経営モデル」なんだなと‥

そして、買収を繰り返して成長してきた
楽天ライブドアの例からは、楽天がTBSに
買収を仕掛ける事が可能なカラクリを説明しています。
この中では、ソフトバンクのいびつな収益構造が
印象に残りました。一時期、路上でモデムを配りまくって
いたBB事業は大赤字ですが、その一方で
「Yahoo」のネットポータル事業では
荒稼ぎしている様子が一目瞭然でしたね。
その他にも、マイレージシステムを続けても
ANAはそれほど損にはならないが、
一方でポイントシステムを負担に感じている
企業の例も有る、としている内容とか
現代の企業の経営モデルを詳しく解説しており、
非常に面白かったですね。経営学系の本といえども、
先日読んだ「コトラー」などは
本格的な経営学の本って感じがあり、
一般のサラリーマンにとっては少々
敷居が高いという気分がありますけど、
この本は非常に解りやすく現代の「経営モデル」が
書かれていると思います。