「闇と光の双翼―フェンネル大陸 偽王伝(4)」(はてな年間100冊読書クラブ 88/100)

闇と光の双翼 フェンネル大陸 偽王伝 (講談社ノベルス)

闇と光の双翼 フェンネル大陸 偽王伝 (講談社ノベルス)

  • ソルド国に帰還したら、なんと国が攻め落とされていて‥

本シリーズを読むのは久しぶりになりますね。
確か前巻は、主人公フェンベルク達は
さらわれたソルド王を取り戻しに出かけたものの、
様々な事情があって果たせなかった‥という展開でしたよね。
今回は、目的を果たせずにソルドに戻ってきたら
なんとソルド国が他国に攻められて
王都が落とされてしまっていた‥
という場面から始まります。
ソルド国と縁のあったフェン達は
とりあえずはソルド国の残党と合流します。
そこで前々巻で行動を共にしていた
親友のロカが逃げ遅れて王都にいることを知り、
ロカを助けに向かう‥という展開でしたね。

  • 今回はフェンが不得意の調略・策略‥

ソルドに攻めてきたのは大国シスタスということで、
ソルド国の残党だけでは太刀打ちできないため、
周りの国の助力を借りに回ることになります。
しかしシスタスの威をおそれ、
日和見及び事なかれ主義などもあり
なかなか思うように助力は得られなかったりしますね。
また主人公のフェンベルクは、
元は武官だったこともあり、今回のような
他国に救援を仰ぎに行くようなこと、
及び策略を巡らすようなことは不得手、
という描写もありますね。
そんな彼女の心強い味方が、同行者のアシュレイですな。
ボケる(頭が巡らず気づかない)フェンに
ツッコミを入れるアシュレイ、という役割が
既に確立されていますな(笑)
また、今回は前回までと違って
舞台が何ヶ国に渡って広いですね。
そういえば前巻を読んだ時に、
「この本には地図が無いため、
読んでいても地理感覚がつかみ辛い」
というような書評を書いた覚えがあります。
今回は舞台が広がることもあり、
巻頭に地図が用意されていましたね。
また、今回の本は少し分厚く読み応えがありましたね。

  • 著者は主人公をどちらへ導こうと‥?

この本で、ここまで本シリーズを4巻、
読んで来たことになります。
しかし個人的にはまだまだ、
著者がフェンベルクをどちらに導こうとしているのか、
見えて来ない面もありますね‥
フェンは故国を追放されたとはいえ、
ここまで、今までに縁の無い知らない国で
ウロウロ蠢動し、追放された故国に戻ろうとするのでも
無いですからね‥まぁ他国の視察は
下は王女さまでもあるフェンベルクにとっては
有意義にはなるのでしょうけど‥