「お客様の感動を設計する ハッピーエンドのつくり方」(はてな年間100冊読書クラブ 73/100)

お客様の感動を設計する ハッピーエンドのつくり方

お客様の感動を設計する ハッピーエンドのつくり方

主に営業・接客業務についている方が読むと
目から鱗が落ちた心境になるのではないでしょうか?
商品を売り込む時には、お客様を「攻略」「説得」しようと
頑張るのが普通のセールスマンって感じですけど、
この本では、お客様を「感動を共有する共演者」
と位置づけていますね。どんなシーンにも
必ずハッピーエンドを用意して、お客様に元気になって貰う、
というところは、役者出身の著者ならではの
演出技術や思考法をって感じですね。
なるほど、著者が演劇に関わっていたからこそ、
演劇の「感動設計」をビジネスに応用することに
思い至ったのではないでしょうか。
そういうこともあって、普通のビジネス本・営業本とは
毛色が違っていて面白かったですね。
仕事をアートと捉えるところとか。

  • 「感動の計算式」、実感が期待を少しでも上回るように‥

演技というと、大げさなしぐさとか、
「身振り手振りなどで相手を感動させる」
といったことを思いがちですけど、
この本の中では、「感動の計算式」として
しっかり計算ずくな一面も見せていますね。
例えば、期待と実感が一致すれば「満足」だが
実感が少しでも上回れば「感動」になる、
この感動を目指す・演出する事が大切だ、という感じですね。
ちなみに「満足」を下回ると「不満」「怒り」となり、
「感動」の更に上は「感激」「感謝」があるそうです。
なるほど、感動を演出していくというのは
まさに「ドラマティックマーケティング」だなぁ、
と実感しました。この精神は、以前読んだ本にあった、
ホテル「リッツ・カールトン」の従業員が
お客様をおもてなしする姿勢にも
似たようなものがあったかな、という感じですね。
「ドラマティックマーケティング」の実践例として、
この本の終盤に取り上げられている
「カシータ」という店に行きたくなりました‥(笑)