「あしたの経済学」(はてな年間100冊読書クラブ 66/100)

  • 今更読んでいては遅すぎって感じですな‥(^^;)

もはや今更という感もありますけど、
小泉純一郎前首相の内閣で金融担当大臣を務めた
竹中平蔵氏の著書ですね。
郵政民営化に代表される規制緩和政策などによる
日本経済活性化の方針が示されていますね。
まぁ、竹中氏も大臣を辞め、加えて日本経済も
景気回復基調が今や鮮明になって来ているため、
本書の内容もかなり色あせ気味かな〜
という感じがしてしまいます‥(^^;)

  • やっぱ「企業・金持ち優遇、貧乏人冷遇」

ただ、私はどちらかというと竹中氏の政策には
否定的な考え方を持っていたので、
この本を読んでいて、やはり納得出来ないところが
多かったですね。例えば累進税率の低減と
低所得者の負担増の考え方とか、
「金持ち優遇、貧乏人からの搾取」
という考え方が強いな、と思ってしまいました。
銀行の不良債権処理についても、
金利の低め誘導など、思いっきり銀行優遇策を
取り続けてようやく一息ついた、
といったところですからね。
不良債権問題が、日本経済を低迷させる
要因になったのは事実でしょうけど、
株価が上昇基調にあって、不良債権問題が
解決しつつある現在、中小企業への融資等が
進んだかというと疑問の残るところですから‥

  • 「再チャレンジ」は本当に可能なのか?

そしてその間、特に高齢者層を中心に低金利によって
利息収入の減少を余儀なくされている訳ですから‥
この本を読んで改めて、竹中氏の一連の改革は、
「金持ち・企業優遇と低所得者層への冷遇」
という考えの下に実施されていたんだな、
ということを実感してしまいました。
この本でうたわれている、そして現在の
安倍晋三内閣にも引き継がれている
「再チャレンジ可能な社会」という点についても、
言葉だけが先行していて、実際の仕組みは
未だ追いついていないように思えますから‥