「こころの格差社会―ぬけがけと嫉妬の現代日本人」(はてな年間100冊読書クラブ 61/100)

  • お金の格差ではなく「こころの格差」

面白内容の本であったと思います。
格差社会」というと、ヒルズ族に代表されるような
若くて大金持ちになった人達と
フリーターなどのワーキングプア層の対比
といったような感じで主に金銭面の格差を
頭に思い浮かべてしまいます。
しかしこの本は、お金や出世のような外的条件ばかりを
追い求めてしまうのではなく、「こころの満足」を
求めるべきだ、と説いていますね。

  • 満足出来なければ幸せではない‥

出世を追い求めて、達成したとしても、
そこで「足るを知らなければ」満足できずに
いつまで経っても不満状態が続いてしまいますからね。
「勝ち組」として世間からもてはやされ、羨ましがられても
当の本人がその状態に満足しておらず、
不満が残っていれば、全く幸せでは無いって感じですからね。
なるほど、「人からどう思われようとも、
自分が満足していればそれで良い」ってことですよね。
周りの目を気にしすぎることなく、
自分が好きなこと・満足できることを追い求めていくこと
(=自己実現)していく事が大事なんだなって
改めて実感したりしました。定年後に趣味が無くて、
妻や子供達から粗大ゴミ扱いされるような、
そんな老人にはなりたくないですからな‥(^^;)

  • コミュニケーションを積極的に

また、コミュニケーションが大事であるとも
この本の中には書かれていますね。
最近は親が子を、子が親を殺してしまう事件が
多発していますけど、本来親子ほどの近い間柄であれば
自分の中に溜め込まずに好きなことを言い合えても
おかしくはないのですが、最近は溜め込んでしまって
ある日突然暴発する、といったケースが多く
陰惨な事件に繋がってしまっているのかな、
という感じです。昔ながらの男性に多いですが
「なかなか口には出さない」ってタイプが多いですよね。
例えば、口には出さないけど
妻にはとっても感謝しているとか(笑)
でも、最近は口に出さないと伝わらなかったりしますし、
また直接口に出すことによって、
相手の笑顔が見られたりすることもあるので、
ここは積極的にコミュニケーションをとって
いったほうが良いのかな、なんて
最近は特に実感したりしています。

  • 上手い日本語訳が見つからない言葉は、元々日本には無かった習慣‥

コミュニケーションで思い出しましたけど、
この本に書かれていたことですが、
上手い日本語訳が見当たらない外来語については
(例えば「コラボレーション」)もともと日本には
そういう習慣がなかったからだ、としてあるのは
なるほど一理あるな〜と思いました。
「和をもって尊しとなす」習慣のある日本人と
積極的に自己主張をしなければ生き延びられない
欧米人、当然習慣も異なるので、
「日本には無い習慣」もあることでしょうね。