「魔軍襲来 アルスラーン戦記(11)」(はてな年間100冊読書クラブ 60/100)

魔軍襲来 ―アルスラーン戦記(11) (カッパ・ノベルス)

魔軍襲来 ―アルスラーン戦記(11) (カッパ・ノベルス)

ファンタジー小説の名作「アルスラーン戦記」シリーズの
待望(笑)の新作ですね。ファンタジー小説でありながら、
前巻からなんと5年以上も間が空いてしまうという(笑)
このシリーズ、もう続巻は出ないものと
誰もが思い込んでいたのではないでしょうか‥(^^;)
その間に、角川文庫から光文社へと出版元も変わり、
いわば「出版先から見捨てられた」シリーズでもありますね(笑)
その間は著者が闘病中であったとか、そういった理由は無く(笑)
単に著者の田中芳樹氏が遅筆であったことと(笑)、
あと別のシリーズ(主に中国歴史物)の執筆を
中心に手がけていたためですね。
もともと遅筆の作家とはいえ、他シリーズは出版されるのに
この「アルスラーン戦記」シリーズは放置されていた、
という状況は全くの読者無視であり、
腹立たしいことであると思います。
ただ、そんな感じで文句をつけながらも、
読んでしまう自分がいる訳なのですが‥(^^;)

  • 敵方のキャラの描写が多く、残念な感も

さて話を本題に戻すと、5年も間が開いたということで(笑)
著者自身もいきなり長編は書き切れなかったようですな(^^;)
という感じで、各キャラを思い出しながらの?
短編集といった仕上がりになっていました。
ただ、仮面王子・ヒルメスやルシタニアのギスカールといった
アルスラーンの敵方にあたるキャラの内容が多く、
ダリューンナルサスといった、アルスラーン王の
側近のキャラの出番が少なかったのは残念でしたね。
でも読み始める間に、次第に各キャラのことを
徐々に思い出して来たので、著者だけではなく
読者にとっても、アルスラーン戦記の世界観を思い出す
良いリハビリになったのではないでしょうか。

  • 次巻以降で、ストーリーが動き出すかな‥

上記の敵キャラのうち、ギスカールは宿敵・ボダン主教を
抹殺したばかりで、マルヤム国内の統治で
現在は手一杯のようですが、
もう一方のヒルメスは、隣国ミスルの王に取り入って
蠢動をはじめており、アルスラーン王のパルスを
虎視眈々と窺っていますね。
そしてアルスラーン王にとって最大の敵となると思われる
蛇王ザッハーグの活動もいよいよ本格化しそう、
という状態ですから、次巻以降は大きくストーリーが
動いていきそうな感じですね。
まだ私が学生の頃に(笑)読み始めた本シリーズですが、
やっぱここまで10巻以上も読み続けて来たとあっては、
ラストを見届けるまでは、死ねないって感じですな‥(^^;)