「マリア様がみてる クリスクロス」(はてな年間100冊読書クラブ 36/100)

  • 今年もバレンタインデーはお宝(カード)探しが

さて今回はバレンタインデーのお話ですね。
昨年に引き続き「お宝(カード)探し大会」が実施され、
昨年は宝を探す方だった福沢祐巳ちゃん・島津由乃さんの二人は
今年は逆に隠すほうに回ることになりました。
白薔薇藤堂志摩子さんは、昨年も隠す側でしたね。)
由乃さんのお姉さま・支倉令さまは
大学受験で参加できないこともあって、
&昨年は自分でカードを発見できなかったこともあり
由乃さんは「簡単には見つけられないところ」を選択します。
こういう意地になるところは、
イケイケ由乃さんらしいですよね(笑)
その黄薔薇のカードが、昨年に引き続き
由乃さんの宿敵(笑)田沼ちさとさんの手に落ちる、という結果も、
色物担当(ぉの黄薔薇らしい、お笑い的展開ですな‥(^^;)
一方祐巳ちゃんのほうは、先代紅薔薇さま
水野蓉子さまの夢でもあり、祐巳ちゃん自身も望んでいる
「薔薇の館を一般生徒にも開かれたものにする」
という理念を受け継いだ場所に、隠すことに決定します。
残る志摩子さんは、昨年既に自分の思い入れのある場所に
隠したこと、及び妹の二条乃梨子ちゃんが宝探しに参加しない
こともあってか、参加者にヒントを与えながらの
お遊び的要素を盛り込んだ場所に隠すことになりますね。

  • 祥子さまは祐巳ちゃん観察に専念‥(笑)

祐巳ちゃんは昨年、紅薔薇のカードを探す参加者に
追いかけられて彼女達を振り払うのに苦戦していましたけど、
今年の小笠原祥子さまは悠然としたものですね。
薔薇の館に居座り、祐巳ちゃんがボロを出すのを
じっと待つことを選択します(笑)
さすがはお姉さま、妹のことをよく見抜いていますね‥(笑)
そういえば上記のような状況
(令さま・乃梨子ちゃん不参加)のため、
宝探しに参加している山百合会メンバーは
今年は祥子さま一人ってことになりますね‥
主要登場人物に探す側のメンバーが少ないこと、
その少ないメンバーの祥子さまは
上記の通り動かざること山の如し状態のため、
今年の場合は宝探しのシーンよりも、宝探し時間中の
「薔薇の館」の様子の記載が中心になっていますね。

そんな中で、引き続き素直になり切れない
小牧瞳子ちゃんは、宝探しに参戦しているのかいないのか
微妙な状態になっています。
そんな瞳子ちゃんを気にかけて、励ます格好になった
乃梨子ちゃんの様子が良かったですね。
素直ではなく、とっつき辛い瞳子ちゃんですけど、
友達には恵まれているよな〜と思いますね。
そんな乃梨子ちゃんへの好感度が、
個人的にはますます上昇気配です(笑)
こんな良い友達が欲しかったな〜。
でも、少し前にこの二人と良くも悪くも関係のあった
細川可南子ちゃんが今回全く登場しなかったところは、
ちょっと淋しかったですね‥
可南子ちゃんが本編に登場した時に、
マリみて」ファンの間では、
祐巳ちゃんの妹は瞳子ちゃんor可南子ちゃんの
どちらが良いのかという話題が出て、
私は可南子ちゃん派でしたから‥(^^;)

  • ラストの瞳子ちゃんの行動が唐突過ぎて‥

乃梨子ちゃんと話してある意味吹っ切れた(笑)
瞳子ちゃんはラストで突拍子も無い行動に出てきますね。
しかし、ここまで時間軸でほぼ1年間、
祐巳ちゃんにはツンツン状態であった
祐巳ちゃんからの告白も断った)瞳子ちゃんに
いきなりこういう行動(祐巳ちゃんへの告白)をさせますか‥
という感じがしてしまいました‥(^^;)
そこまでの瞳子ちゃんの心理描写が欲しい所ですが、
ストーリーは今回では完結せず、
次巻以降に続くって感じですから、
そこで語られるのかもしれないですね。
そういえばこの「マリみて」シリーズの一番最初に、
祐巳ちゃんも祥子さまからの告白を、
「祥子さまが本気ではない」という理由で、
最初は断っていましたね。今回の展開は、
これを踏まえているんでしょうね。
もっとも、ストーリーが完結しないというと、
この「マリみて」シリーズでは「レイニーブルー」の巻の
衝撃的な中断シーンがファンの間では有名ですけど、
今回はそういう後味の悪い中断ではないですな。