「マリア様がみてる クリスクロス」(はてな年間100冊読書クラブ 36/100)
- 作者: 今野緒雪,ひびき玲音
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/12/22
- メディア: 文庫
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- 今年もバレンタインデーはお宝(カード)探しが
さて今回はバレンタインデーのお話ですね。
昨年に引き続き「お宝(カード)探し大会」が実施され、
昨年は宝を探す方だった福沢祐巳ちゃん・島津由乃さんの二人は
今年は逆に隠すほうに回ることになりました。
(白薔薇の藤堂志摩子さんは、昨年も隠す側でしたね。)
由乃さんのお姉さま・支倉令さまは
大学受験で参加できないこともあって、
&昨年は自分でカードを発見できなかったこともあり
由乃さんは「簡単には見つけられないところ」を選択します。
こういう意地になるところは、
イケイケ由乃さんらしいですよね(笑)
その黄薔薇のカードが、昨年に引き続き
由乃さんの宿敵(笑)田沼ちさとさんの手に落ちる、という結果も、
色物担当(ぉの黄薔薇らしい、お笑い的展開ですな‥(^^;)
一方祐巳ちゃんのほうは、先代紅薔薇さまの
水野蓉子さまの夢でもあり、祐巳ちゃん自身も望んでいる
「薔薇の館を一般生徒にも開かれたものにする」
という理念を受け継いだ場所に、隠すことに決定します。
残る志摩子さんは、昨年既に自分の思い入れのある場所に
隠したこと、及び妹の二条乃梨子ちゃんが宝探しに参加しない
こともあってか、参加者にヒントを与えながらの
お遊び的要素を盛り込んだ場所に隠すことになりますね。
- 祥子さまは祐巳ちゃん観察に専念‥(笑)
祐巳ちゃんは昨年、紅薔薇のカードを探す参加者に
追いかけられて彼女達を振り払うのに苦戦していましたけど、
今年の小笠原祥子さまは悠然としたものですね。
薔薇の館に居座り、祐巳ちゃんがボロを出すのを
じっと待つことを選択します(笑)
さすがはお姉さま、妹のことをよく見抜いていますね‥(笑)
そういえば上記のような状況
(令さま・乃梨子ちゃん不参加)のため、
宝探しに参加している山百合会メンバーは
今年は祥子さま一人ってことになりますね‥
主要登場人物に探す側のメンバーが少ないこと、
その少ないメンバーの祥子さまは
上記の通り動かざること山の如し状態のため、
今年の場合は宝探しのシーンよりも、宝探し時間中の
「薔薇の館」の様子の記載が中心になっていますね。
- 乃梨子ちゃん、ええ子やね〜
そんな中で、引き続き素直になり切れない
小牧瞳子ちゃんは、宝探しに参戦しているのかいないのか
微妙な状態になっています。
そんな瞳子ちゃんを気にかけて、励ます格好になった
乃梨子ちゃんの様子が良かったですね。
素直ではなく、とっつき辛い瞳子ちゃんですけど、
友達には恵まれているよな〜と思いますね。
そんな乃梨子ちゃんへの好感度が、
個人的にはますます上昇気配です(笑)
こんな良い友達が欲しかったな〜。
でも、少し前にこの二人と良くも悪くも関係のあった
細川可南子ちゃんが今回全く登場しなかったところは、
ちょっと淋しかったですね‥
可南子ちゃんが本編に登場した時に、
「マリみて」ファンの間では、
祐巳ちゃんの妹は瞳子ちゃんor可南子ちゃんの
どちらが良いのかという話題が出て、
私は可南子ちゃん派でしたから‥(^^;)
- ラストの瞳子ちゃんの行動が唐突過ぎて‥
乃梨子ちゃんと話してある意味吹っ切れた(笑)
瞳子ちゃんはラストで突拍子も無い行動に出てきますね。
しかし、ここまで時間軸でほぼ1年間、
祐巳ちゃんにはツンツン状態であった
(祐巳ちゃんからの告白も断った)瞳子ちゃんに
いきなりこういう行動(祐巳ちゃんへの告白)をさせますか‥
という感じがしてしまいました‥(^^;)
そこまでの瞳子ちゃんの心理描写が欲しい所ですが、
ストーリーは今回では完結せず、
次巻以降に続くって感じですから、
そこで語られるのかもしれないですね。
そういえばこの「マリみて」シリーズの一番最初に、
祐巳ちゃんも祥子さまからの告白を、
「祥子さまが本気ではない」という理由で、
最初は断っていましたね。今回の展開は、
これを踏まえているんでしょうね。
もっとも、ストーリーが完結しないというと、
この「マリみて」シリーズでは「レイニーブルー」の巻の
衝撃的な中断シーンがファンの間では有名ですけど、
今回はそういう後味の悪い中断ではないですな。