「人を育てる トヨタの口ぐせ」(はてな年間100冊読書クラブ 27/100)

トヨタの口ぐせ

トヨタの口ぐせ

  • 「口ぐせ」なので、生の解りやすい言葉が並んでいます

トヨタの社内で実際にリーダー達が口にした
「生の」言葉を集めているだけに、重みを感じますね。
とはいえ、「口ぐせ」だけに、難しい言葉ではなく、
ごくごく当たり前と思えるようなセリフが並んでいます。
例えば、トヨタ式として「会社のトップがオフィスに
籠もるのではなく、自ら足を運んで現場を見て、
自ら確認する」ということは
既に他のトヨタ本等で著名ですよね。
これにあてはまる「口ぐせ」は
「おまえ、あそこ行ってきたか。
俺は行ってきたぞ」という感じになっています。

  • 当たり前のことを実践し、根付いているところが強み

ただ、その「当たり前」と思えるようなことを
しっかりと実践し、それをトヨタのDNAとして
社内にしっかりと根付かせ、従業員がそれに従って
行動するようになる&出来ている、というところが
トヨタの強み&凄みって感じなのでしょうね。
トヨタ式と言えば「カンバン方式」などの
生産システムが思い浮かびます。
しかし、このようなリーダーの「口ぐせ」を通じて、
現場重視やコスト削減といったトヨタのDNAを
後輩達へ伝承し、人材を育成する
仕組みも優れているんだな、と改めて実感しました。

  • 郷に入っても郷に従わず、トヨタ式を根付かせる

個人的に心に残った箇所は、
アメリカに進出した時、自分の持ち場以外には
手を出さないアメリカ人に「トヨタ式」を根付かせる例として
「一・二塁間に飛んだゴロは誰が取るのか」と
アメリカ人労働者に話し、説得したところですね。
アメリカ人に妥協するのではなく、
アメリカ人にトヨタ式を理解させ、
理解したアメリカ人だけが最終的に残った、
というところは、トヨタの凄いところですよね。
普通の会社であれば労働者に妥協しかねないところですが、
しっかり「トヨタ方式」を譲らなかったところが。)

  • 給料は誰から貰っている?

また、「あなたは誰から給料をもらうの?」
(上司や会社ではなく「お客さま」から貰う)という
「口ぐせ」は、この風土が社内に根付いていれば、
例えば賞味期限切れの材料を使ってしまった
不二家のような事件は、絶対起きないだろうな、
と実感したりしました。
話は変わりますが、今、私の勤めている会社では、
「お客さま視点」が社訓のようになっています。
その「お客さま視点」の根本が、この本を読んで
理解出来たりしました。残念ながら社内では
このような話は誰からも聞いたことはないのですが。
そこがトヨタとの違いなのでしょうね‥(^^;)