「世界森林報告」(はてな年間100冊読書クラブ 26/100)

世界森林報告 (岩波新書)

世界森林報告 (岩波新書)

  • 森を歩き続けた著者による、渾身の「世界の森林」実体験記

森に魅せられ、世界の森を40年間に渡って歩き続けてきた
著者による、世界の森林の実態を記した本ですね。
東南アジア・アマゾン・ヨーロッパと
世界各地の森林を旅し尽くした、という感じです。
そういえばこの本の著者の「山田勇」って、
横山ノック・元大阪府知事と同姓同名だったような‥
そのお陰で、本を読み進めながらも、
ノックさんの顔が度々浮かんできて
ワイセツ事件で知事を辞任したノックさんと
林保護のあまりのイメージの違いに
困惑したりもしたのですが‥(笑)

「森を歩く」とはいっても、ジャングルの中を
川口浩探検隊」みたいにあてもなく
突き進むということではなく(笑)
地元のエコツアーを利用しています
例えばアマゾンには、有名なガラパゴス諸島とか、
ヨーロッパからのツアー客が多数訪れており
それらツアー客の相手をすることによって
生活が成り立つ地元民の生活の様子も描かれていますね。
地元民はツアー客に民族の踊りを演じて見せるのですが、
その様子が「お金稼ぎ」のために渋々演じていて
やる気が無さそうだと(笑)生々しく描いています。
またよく知られているように、
途上国では自然保護よりも開発を優先して
自然破壊が進んでいるという事も
著者は体験をもって実感していますね。
交通が不便ですから、船を乗り継いだりして
山奥に向かう訳ですが、そこまで著者を駆り立てた
「森林」の魅力が、この本を読んで
少しは解ったような気がしました。