「いまどきの「常識」」(はてな年間100冊読書クラブ 143/100)

いまどきの「常識」 (岩波新書)

いまどきの「常識」 (岩波新書)

  • いまどきの「常識」に疑問を投げかける内容に‥

最近「常識」としてとらえられるようになった事象について、
著者が疑問を投げかけているって感じの本ですね。
取り上げられている内容は、
「自分の周りはバカばかり」とか「お金は万能」など、
まぁ常識というよりは、最近の主流となりつつある
主義主張が主な内容になっています。
そういう意味では、まだ「常識」とは言えない
事象が多いような気もしますね。

  • 著者の主張箇所が多いので、反論を覚えるケースも‥

ただ、こういう現在進行中のテーマを
取り上げるということは、当然著者の主張が
存分に反映されてくることになり、
その主張と読者の意見が相反すると、
読んでいて反発を覚える箇所もありますよね‥
そこは取り扱っているテーマの結論が
まだまだ確定していない、生々しい事象なだけに、
難しいところでもあります。

  • より現実主義的な傾向に‥

例えば「テレビで言っていたから正しい」
という常識に疑問を投げかけていますけど、
むしろ最近の主流な常識は、「テレビが報道することは
偏っていて信じられない」では無いでしょうか。
まぁこの点では、結果的に「テレビは正しい」
という常識に疑問を抱いている著者の主張と
私の見解は一致することになるので、
最終的に違和感は無くなるのですが‥(^^;)
まぁ確かに「国を愛さなければならない」といった
ナショナリズムの勃興や、ホリエモンに代表されるような
「お金こそすべて」という現実主義的な傾向が
最近では主流になりつつあるのは
私も感じていますし、また少々危うい面も
あるのではないかと思っていたりはしています。