「ウェブ恋愛」(はてな年間100冊読書クラブ 141/100)

ウェブ恋愛 (ちくま新書)

ウェブ恋愛 (ちくま新書)

  • 取り上げるのは今更という感もありますが‥

インターネットを通じて恋愛関係に至る
「ウェブ恋愛」を取り上げた本ですね。
もっとも「ウェブ恋愛」は古くはニフティサーブ等の
パソコン通信の頃から始まっており、
出会い系サイトの隆盛によってメジャーになって来ていますから、
今更取り上げるものでもないような気もします。
ネットの世界では最近ではブログやSNSが盛り上がっていますが、
これによって「ウェブ恋愛」が更にメジャーになった、
という感はないですね。まぁ、ブログやSNS
変化したところといえば、ブログで多くの人が
ウェブ上で日記を綴るようになり、
その中には「恋愛日記」も多いでしょうから、
他人の恋愛模様を覗き見出来る
機会は多くなったのかもしれません‥(^^;)

出会い系サイトで恋人を探すも、心からの恋人には
巡り会えないままの女の子のストーリーや、
趣味を通じて仲良くなったケース、
あるいは実際に面接してみて
やっぱ容姿が受入れられなかったケース(^^;)など、
なるほど現実にもありえそうだなと思えるストーリーが
収録されています。しかし、メンヘル系の人達が
多いのもウェブ恋愛の特徴って感じがしました。
メンヘル等の病気で学校や会社に行けなくなり、
ひきこもりの生活をしていると、
一日中パソコンに向かう事が出来ますから、
ネット上で知り合いを見つける事が出来る
可能性も高まるのかな、なんて思いますね。
親しくなるきっかけはチャットが多いようですね、
チャットは、長い時間話している間に
親密度が高まるって感じでしょうか。
そういえば、私はもうチャットなんて
何年もやっていないですね‥(^^;)
ADSLが無かった頃、夜11時の「テレホーダイ」が
始まると同時に、チャットのサイトに集合して
毎日2時間位盛り上がっていたことは
もはや今では懐かしい思い出って感じです。

  • 著者の経験談は、客観性には乏しいな‥と

とはいえ、この本は「ウェブ恋愛」全体を客観的に
分析したものではなく、著者自身の経験によって
語っている箇所もあるので、そのあたりは納得性に乏しいですな。
ベストセラーになった、三浦展氏の「下流社会」で
サンプル数が少ない状況で結論を導き出していて
説得力に欠けていたところを思い出したりしました。
でも、出会い系サイトの犯罪等の関係もあって、
まだまだ「ウェブ恋愛」は市民権を獲得したとはいえないですな。
ネットで知り合うのも、例えば合コンあたりでも、
「彼氏彼女を探す」という行動を通じてというところは
何ら変わらない筈なのですが、
まだまだ「ネット上で知り合った」というと、
後ろめたいところがあるのは否めない気がします‥