ディープインパクト、有馬記念快勝!

  • 昨年同様、調子落ちが懸念されましたが‥

ディープインパクトのラストランとなった、
今年の有馬記念、その最後の走りに注目が集まりました。
凱旋門賞の敗戦、そして失格で何敗地にもまみれたあと
その汚名を払拭するが如くの
前走のジャパンカップは鮮やか過ぎる勝ちっぷりでした。
しかし、あまりに鮮やか過ぎたことと
加えて当日の馬体重も減少していたということで、
ジャパンカップで究極の仕上げをしてしまい、
その後の有馬記念では、初の敗戦を喫した昨年と同様、
調子落ちが懸念されていました。
しかし今日はそんなところを微塵も感じさせない、
凄い勝ちっぷりでしたね。
道中後方にじっと待機する姿は
普段と変わりませんでしたが、
この日も4コーナー付近でマクリ気味に
上がっていくところは迫力満点、
見ていて震えを覚えてしまいました‥
そして直線では他馬を突き放し、ラストランの今日も
見事に「飛んで」昨年の雪辱&有終の美を飾りましたね。

  • ライバルも揃いましたが、ものともせずに‥

昨年敗戦を喫している&脚質が追い込み一辺倒と
いってもいいディープは、小回りの中山コースでは
敗戦を喫した有馬記念以外でも今までは苦戦気味、
ということで、他陣営も付け込む隙があると見たのか
ジャパンカップの圧勝にもかかわらず、
頭数は揃っていましたね。
昨年の有馬記念でディープを倒したハーツクライこそ
一足先に引退を決めてしまい不在でしたが、
オーストラリアのG1・メルボルンカップ
ワンツーを決めたデルタブルースポップロック
ディープ不在の天皇賞・秋を制したダイワメジャー
そして3歳の2冠馬・メイショウサムソン
サムソンと接戦を続けるドリームパスポート
古馬牝馬からはスイープトウショウといった感じで
伏兵陣は多士済々したね。
これだけ揃っていれば、ディープももう少し
苦戦するのではないかと私は予想していましたけど、
実際は力が違っていたという感じですね。

  • もう一度凱旋門賞に挑戦して欲しかったですが‥

ディープと同世代の他の馬の戦績がもう一つ、
ということもあって、「相手に恵まれていた」
という外野の声もありましたけど、
昨日のレースを見て、「まさにディープは
歴史に残る名馬であったんだな」と実感した思いです。
これだけの走りを見せてくれると、
このまま引退というのは本当に惜しいな、
という感じがしてしまいますね。
苦杯を喫した凱旋門賞に、汚名返上をかけて
もう一度挑戦して貰いたい、という気持ちが山々です。
ただ、ディープも達成していない
秋の古馬G1(天皇賞・秋ジャパンカップ有馬記念
三連勝を成し遂げて頂点に立った馬
テイエムオペラオーゼンノロブロイ)が
その翌年も現役生活を続けたものの、
前年の強さは見せられなかった、という過去があります。

  • もう国内でやり残した事は無いので、ここで引退‥

また、早くからレースのセンスが良くて「完成された馬」
という印象のあったディープなだけに、
今後の成長性がそれほど凄いとは思えず、
オーナー側としては、戦績に傷をつけないためにも
「今年で引退」という選択肢を選んだのでしょうね。
このまま現役を続けても、国内のレースは
「勝って当たり前、万が一負ければ種牡馬としての
価値に影響」してしまいますし、
またディープが獲っていない古馬G1は
もはや天皇賞・秋しか残っておらず、
ディープがやり残したことといえば、
果たせなかった海外G1制覇しか無いですからね‥
しかし改めて振り返ってみて、
「後方からの大外ぶん回し」という
毎回非常にロスの多い競馬でありながらも
ここまで快勝を続けてきたディープインパクト
歴史に残る名馬だと思いますし、
この馬の現役時に競馬ファンでいられたことを
改めて幸せに思った次第です。
そしてレースから一夜明けた今日、
ディープは早速種牡馬生活を送るため
北海道に旅立ったそうですね。
栗東の厩舎に戻らずそのまま北海道に直行ですか‥
なんだかあわただしいという気もしますね。