「水族館の通になる」(はてな年間100冊読書クラブ 128/100)

水族館の通になる―年間3千万人を魅了する楽園の謎 (祥伝社新書)

水族館の通になる―年間3千万人を魅了する楽園の謎 (祥伝社新書)

  • 水族館の謎や疑問がよく解ります‥

水族館の謎や疑問に答えた本ですね。
水族館の裏側というのはあまり知る機会がありませんが、
この本はそんな誰もが抱くような疑問に答えてくれています。
例えば、「ピラニアや電気ウナギの水槽を掃除しても平気なのか」
とか(ピラニアは本当は臆病なので、堂々としていれば大丈夫
&電気ウナギは充電に時間がかかるため(笑)
一度放電させてから掃除にかかる)など、
水族館員ならではの豆知識が沢山ありますね。
あと、展示する魚を確保するには、漁師さんと契約していて、
食用に適さないもの(そういうものに、
きらびやかで水族館的に見栄えがする魚が多いとか)
はタダで譲って貰えたりするが、
しかしマグロなどの一般の食用の魚は、
たとえ水族館でも市場価格で
購入しなければならないそうですね‥(笑)

  • 芸を仕込む苦労談も‥

また、著者はアシカなどのトレーナーも勤めており、
芸を覚えさせる苦労談なども記されていますね。
魚(というか、アシカあたりだと動物って感じでしょうか)
の中にも、積極的なタイプと臆病なタイプがいて、
臆病なタイプに芸を教え込むのは苦労するとか、
「なるほどもっともだな〜」という感じですね。
よく、水中に輪投げの輪を投げて、
それを取って来させる芸があります。
ショーでは皆平然と取って来ていますけど、
あの輪は首を絞められることを思い起こさせるので、
怖いと思う動物もいるそうですね‥
また、非常に狭き門である、水族館の飼育係になる方法
なども記されていて、「水族館で働きたい」
と思っている子供達にもお薦め出来そうかなって感じです。
この本を読んで、水族館員を目指して
夢をかなえる人が出たら、著者冥利に
尽きるのではないかな?と思ったりもしました。

  • 死んだ魚は食べてしまうのか‥?

あと、死んだ魚はどうするのか?
食べたりするのか?(死因がはっきりしているものは、
ゴミとして捨てられたりこともあるそうです。
死因不明のものは解剖されるとか。
ただ、水族館に到着するまでに
死んでしまった魚については、
容赦なく食べてしまう飼育係の人もいるとか‥(^^;)
そしてこの本を読んでみて、私の地元にある
名古屋港水族館は「全国的にも結構レベルの高い
水族館なんだな」ということを
改めて認識したりもしました。名古屋港水族館
ショー中では、イルカはともかく、
シャチのショーは結構珍しいそうですね。
確かにシャチがあの巨体を動かして、
天井から吊り下げられたボールに向かって
ジャンプする芸とか、成功させるまで躾けるのは
なかなか難しいだろうな、と思いました。
地元に住んでいると、案外その凄さには
気がつかないものだな、という感じですね。