「夜回り先生」 (はてな年間100冊読書クラブ 122/100)

夜回り先生

夜回り先生

  • 先生自身にも堕ちた経験が‥

夜回り先生」の本は以前に何冊か読みましたけど、
この本がおそらく処女作かと思います。
この本を読んで驚いたのは、
先生ご自身にも、自暴自棄になっていた事があったことですね。
大学にも行かずに盛り場で遊び呆けていたりした
過去があったとは思いませんでした。
そんな経験を持つ先生だからこそ、
夜回りをして生徒たちのこころを掴む事が
出来るのでしょうね。

  • 悪ガキの「落とし前」として指一本を失って‥

もっとも、そんな夜回りの最中にも
先生は色々な経験をされてきています。
先生が関わりになるような悪ガキ共は
当然簡単には更正せずに、先生も苦労されていますね。
ヤクザに関わったときには「落とし前」として、
利き腕の指を一本詰めさせられたりもしたそうです
‥この話を読んで、「他人の子供のために
よくそこまでやれるなぁ‥」と思いっきり感動しました。
そこまでの気力が無いと、子供たちも先生を信頼して
ついてきてくれないでしょうね‥
夜回り先生」、生半可な体力・精神力では
続いていないんだな、と思いました。
また、この本の中に登場する子供たちは、
親から暴行を受けたり、あるいは家庭的に恵まれなかったりして、
自然的に・必然的に堕ちていってしまっています。
先生の本を読んでいていつも思うのは、
「子供がワルになる理由は、親の責任も多々あるなぁ」
というところですね。

  • 失敗談も赤裸々に‥

また、先生がたった一度冷たい態度を取ったばかりに、
それがきっかけで子供が自殺してしまい、
先生が大きな衝撃を受けたこと、など
先生のいわゆる「失敗談」も赤裸々につづられています。
最近では、いじめに積極的に加担して
生徒を死に追いやったバカ教師がいましたけど、
先生の場合は真っ正直に向かい合っているのに、
それでも結果が出ない‥ということもあります。
普通であればその事で凹んでしまい、
「夜回り活動」を断念しそうになりそうですけど
先生は今日も夜回りを欠かしていないのでしょうね。
ただ、先生が関わった後でも、ひったくりで
人を死なせてしまったりしたりする子供のケースもあったりして、
真実は必ずしもハッピーエンドにはならないものなのなんだな、
ということを改めて実感しました。