「彩雲国物語(8) 光降る碧の大地」 (はてな年間100冊読書クラブ 114/100)

  • この「彩雲国物語」シリーズ、まだまだ続くんですね‥

この「彩雲国物語」シリーズ、この巻を読むまでは、
次巻の「藍より出でて青」が最終巻だと思っていました。
「藍より〜」は外伝のため、本筋のストーリーは
今回で全ての謎が解決するかな、と思っていたので、
ラストの結末は「あれ?」って感じでしたね。
茶州で起こった事件の黒幕・縹家一族との
決着がつくかと思っていたのですが、
その点は全く肩透かし、という気がしました。
「藍より〜」が発売された時に、
(ちょうどこの「彩雲国物語」シリーズに
手を出し始めた頃でしょうか)
確か店頭のPOPで「完結」といった表示を
見たような気もしていたのですが、
これは「最初のシリーズが完結」
という意味だったようですね‥(^^;)

  • 影月ファンには満足のいく展開かな

ただ「影月編の最終作」という位置付けだけあって、
杜影月の出番は多かったですな。
彼のファンにとっては、満足出来たって感じでしょうか。
ただ個人的には、影月はあのまま死んでいたほうが
インパクトは大きかったかな、と思います。
今までのストーリーで散々「限りある命」として
伏線が張られてきただけに、結果的に最後死なずに
生き長らえてしまった、では誰も不幸になることの無い、
単なるご都合的ストーリーではないかと
思えてしまいました(^^;)
香鈴は影月にひたむきな愛情を向けていただけに、
もし影月と香鈴の二人が悲恋の運命に終わって、
最後に香鈴の慟哭シーン等があれば、
それまでのラブラブシーンとの落差が
よりドラマチックな展開を生んだのではないかな、
と思いました。いや、決して影月が
嫌いな訳ではないのですが‥(^^;)
しかし香鈴は典型的なツンデレって感じですよね〜(笑)

  • 縹家が本格的に関わってくるのは、次シリーズ以降ですね‥

また、影月の裏にあたる陽月が
今までとは違う一面も見せたりしていて、
(前巻までは「影月の命をむしばむ悪い奴」
って感じでしたけど、今巻では人情味のある良い性格に
180度豹変してしまっていますな‥(^^;))
そんな感じで、影月がメイン的な位置付けのため
今回は今までの巻とは違って、
秀麗は少し脇役って感じでしたね。
ただもちろん秀麗は今回もひたむきに頑張り、
燕青や静蘭達が周りでそれを支える、
というシーンは今回も健在ですね。
こういう展開で終わると、縹家との対決は
次シリーズに持ち越しなのでしょうね。
自害したはずの朔洵がこんなところで復活していたりと、
秀麗は今後とも縹家と関わらざるを得なくなりそうです。。。
しかし、影月に関しての謎はスッキリしたものの、
縹家はほとんどダメージ無く残ったままであり、
個人的には消化不良の感が否めませんでした。