「日本はなぜ諍いの多い国になったのか」 (はてな年間100冊読書クラブ 106/100)

著者の主張としては、「マナーの悪い人が増えたために」
標題の「日本が諍い(いさかい)の多い国になった」とのことです。
まぁ結論はともかく、本に取り上げられた内容としては、
なかなか詳しい分析をしてあったのではないかと思います。
例えば、「荒れる成人式」が起こる原因として、
新成人の多数を占める大学生に対して、
その大学生達に劣等感を抱く非大学進学組が
大学生に対して優位感(自分達は大学生よりも
ハメを外せる(ただし悪い面で‥笑)ことを
示そうとした末に、成人式で荒れてしまうと導いています。
著者の思い込みや考え方ではなく、
実際に荒れた新成人に対するインタビューに基づいて
結論づけているだけに、読んでいても
納得させられるものがありますよね。

  • 「ひきこもり」「キレるお客様」など

そして、同じように、「ひきこもり」の人達にも
インタビューを行い、「ひきこもる人達には
優等生が多い」という結論を導き出しています。
優等生がちょっとした挫折をきっかけに、
ひきこもってしまう様子が示されていますね。
そのほか、人と会っている時に、
ケータイをテーブルの上に置いておくと
「自分との話に集中していない」という感じで
相手は不愉快になる、等「なるほどな」と思われる分析が
なされていますね。その他、少子化で大切に育てられた
子供達が成長して、大人になったことによって
「キレる」お客様が増えた等の記載もあります。
「ケータイ」「ひきこもり」「荒れる成人式」など、
この本に記載の内容は、「現代社会学」の分野
という感じでしょうか。現代の世相を、
実例(インタビューなど)に基づいて分析する、
という感じで、なかなか興味深い学問だと思いました。