「彩雲国物語(7) 心は藍よりも深く」 (はてな年間100冊読書クラブ 105/100)

  • 今回のストーリーのラスボス?縹家の当主が登場

彩雲国物語シリーズの8巻目ですね。
前巻までは、「茶一族一掃」の後処理って感じですけど、
今回はいよいよ「影月編」のストーリーが動き出しますね。
王宮で奔走する秀麗の前には、今回のストーリーの
ラスボスかと思われる(^^;)縹家の当主?が登場して
秀麗にちょっかいを出そうとしますが、
彼と因縁のある秀麗の父・邵可によって撃退されます。
普段は王宮の書庫の主として、好々爺っぽい様子しか
思い浮かばない(笑)邵可の凄腕の様子が
窺えた一瞬でもありました。前々巻「朱にまじわれば虹」の
生姜湯を作ろうとするシーンからは、想像出来ないですな(笑)
今は亡き邵可の妻(=秀麗の母)は
縹家の一族だったようですね。このあたりも、
次巻以降のストーリーに関わりが出て来そうです。
ただ、ストーリーからすると、邵可は王宮で王とともにある、
という感じで、「茶州で娘の危機を救う」といった、
邵可の腕が発揮出来るようなシーンは、
残念ながらなさそうですな‥

  • 領地の茶州で奇病発生‥巧妙に仕掛けられた罠って感じですが‥

秀麗のほうは、領地の茶州で発生した奇病対応に
追われるって感じですね。奇病対応の一つとして、
医者たちが手術の練習をする様子等が
コミカルに描かれています。
一方で影月は捕らえられて大ピンチ、という感じですね。
影月の壮絶な過去も明らかになります‥
「奇病の原因は、女の分際で官吏になった秀麗のせいである」
という噂も流れる中、秀麗は罠が仕掛けられているのを承知で
命を賭けて、茶州に乗り込んでいきますね。
後任の州牧の依頼など、後始末も準備万端って感じです。

  • ちと秀麗が凄すぎ、という感じも‥

しかし秀麗は今回は八面六臂の活躍ですね。
前回の茶一族退治については、補佐役の鄭悠舜や
浪燕青が前々から下地をじっくりと築いていて、
それに乗っかれば良かった、感じが強かったです。
しかし、今回は突然の奇病発生、ということで
秀麗が自らトップとして対応策を考えて、
動く必要が出て来ています。
秀麗の真価が問われる場面、という感じですね。
しかし、官吏になりたての秀麗が、
あまりにスーパーウーマンチックに活躍し過ぎる、
という印象もしてしまいますね‥(^^;)
見事な対応策を考えるところまではともかく、
王の前で他の官吏達をやりこめる場面とか、
ちとやり過ぎという感もしてしまいます。
他の官僚達もバカばかりではなく、
戸部尚書の黄奇人(鳳珠)など、
凄腕の人達が揃っている筈なのですが‥