「中東 迷走の百年史」 (はてな年間100冊読書クラブ 101/100)

中東 迷走の百年史 (新潮新書)

中東 迷走の百年史 (新潮新書)

  • 中東諸国の詳しい解説本

つい最近も、アルカイダ系によるイギリスにおける
旅客機のテロ計画が実行直前で発覚して、
世界を震撼させましたけど、中東問題というのは、
イスラームという宗教問題も絡んで、我々日本人には
なかなか理解し辛いものがありますよね。
その中東関係について、国別に解説を加えたのがこの本です。
イスラエルパレスチナ」のような割と著名な例から、
クルドチェチェンなど、馴染みの薄い国(民族)まで
中東の各国事情が載せられていますね。

例えば、先日、オシム・ジャパンの公式戦の初戦となった
イエメンとはどういう国なのか?(イエメン人は、
隣国サウジアラビアに出稼ぎしており、
サウジアラビアとの関係に問題を抱えている国である。)
また、EU加盟を希望するなど、
欧州陣営に片思いしつつも果たせていないトルコ、
中東最大の少数民族クルド」、
そしてロシアはなぜチェチェン問題にあれほど強硬なのか、
など、現在の中東イスラム圏の事情が詳しく解説されています。

  • 題名の中東だけではなく、中央アジアからアフリカまで網羅

現在の世界情勢を考えれば、アメリカやイギリスの次には
日本が狙われてもおかしくは無い状態ですから、
中東問題について、我々日本人ももっと把握しておく
必要があるかと思いますが、
手頃な解説本ってあまり見かけないですからね。
非常に勉強になる本だと思います。
また、掲載内容は題名の中東に拘らず、
例えばイスラム過激派はタリバンで有名になった
アフガニスタンから旧ソ連から独立した
中央アジア諸国にも広がっていること、
そして現在、飢餓状態などで世界一悲惨な状態とも言われている、
ソマリアやザイールなどの東アフリカ諸国の現状の解説など、
広がりを見せている内容になっていますね。