「だれが未来を奪うのか―少子化と闘う」 (はてな年間100冊読書クラブ 90/100)

だれが未来を奪うのか―少子化と闘う

だれが未来を奪うのか―少子化と闘う

  • 仕事と子育てに悩む女性議員からの提言に

郵政民営化に反対して話題となった、野田聖子衆議院議員が書いた本ですね。
提言内容にさほど目新しさは無いのですが(^^;)
女性(議員)ならではの、仕事と子育ての両立に悩む立場からの
視点・提言は価値のある内容になっているのではないでしょうか。
具体的なデータを持ち出して、「先進国では、
出産適齢期の女性の労働力率の高い国ほど、出産率も高い。
従って、女性が働くようになって、家庭を顧みなくなったから
出産率が低下している訳ではない。」と説明している箇所とか、
データに基づいての説明なので、説得力がありますよね。
もしデータが無ければ、「また女が、被害意識全開で
ギャーギャーほざいている」という感じの印象しか、
なかったでしょうから‥(^^;)

あと、「サザエさん」を昭和時代の典型的な家族のあり方とみなして
(「サザエさん&舟さんが共に専業主婦で、家庭を守っている」)
配偶者控除や年金など、現在の法制度は、
高度成長社会の典型的な家庭である
サザエさん家庭」を基準に、制定されているとしています。
しかし、年功序列成果主義の徹底により、
男性(夫)の給料だけでは、
家族を養えなくなる時代が到来しており、
共稼ぎを余儀なくされる現代では、
法律等もいつまでも「サザエさん家庭」を基準にしていては
ダメだとして、「さようならサザエさん」を提唱していますね。

  • 古い考えの国会議員達の中で苦労して‥

ただ、国会議員の中にも、女性を家庭(専業主婦)に
押し戻そうとする、古い考えを持っている人が多いそうですね。
少子化の原因は「女性が高学歴になったからだ」とか言い放ったり。)
まぁ、国会議員は年齢層が高いので、
余計に古い考えの人が多そうですけど‥(^^;)
以前「神の国」発言が物議を醸した、森喜朗元総理あたりも、
きっとそう考えていそうですよね(笑)
そんな古い考えを持っている議員達が多い中で、
少子化対策を打ち出そうとしている著者の野田聖子議員が、
苦労されている様子は窺えるかな、って感じです。
割と面白く読む事が出来ました。ただ、「〜じゃないかしら」といった、
話し言葉がそのまま本になっている、というところには、
読んでいて少し違和感を覚えてしまいますけど‥(^^;)