「彩雲国物語(5) 漆黒の月の宴」 (はてな年間100冊読書クラブ 78/100)

  • 前巻の続き、茶一族の内紛が解決

彩雲国物語」シリーズの5作目は、
前作の「思いは遥かなる茶都へ」の続きという感じですね。
茶州の州牧として任命された、
主人公の紅秀麗と杜影月が
茶州へ赴任するまでを描いています。
赴任しようとする二人に対する、茶一族の妨害と、
それを潜り抜けようとする秀麗&影月&一行、
という展開は引き続き同じなのですが、
「茶一族の内紛は、一族内でケリをつける」
という感じで、秀麗や影月が茶一族の悪人共に
直接手を下す、という後味の悪い場面は無かったですね。
ただ、前巻までのストーリーでは、
「秀麗は宮廷内の陰謀に巻き込まれかけるも、
自分の知らないところで自然と陰謀は解決」
といった感じのケースが多かったですが、
今回は以前とは違って、秀麗も新州牧という立場にあるためか、
秀麗が置いてきぼり、って感じは受けなかったですね。
このシリーズは秀麗的な立場で書かれているので、
今回のような展開のほうが、私は好きかなって感じです。

  • 茶州で秀麗を支えることになると思われる、悠舜と燕青

今回活躍が目立ったのは、茶州の州牧補佐の悠舜ですね。
その優秀な官吏ぶりは、次巻以降で燕青と共に
秀麗&影月にとって大きなサポートになること
間違いないですね。まぁ悠舜は、今の中央官僚のトップである
紅黎深、黄奇人に並ぶ能吏という設定ですけどね‥(^^;)
しかし、この巻の最後で、もう悪事を働いた茶一族は
ほとんど一網打尽にされていますし、
茶一族の新当主は、州牧に抵抗するとは思えないので、
もう大きな問題は起こらなさそうな気がしますけど‥

  • 茶朔洵の意外な最期は予想出来ず‥

しかし前巻の最後で、秀麗の心を揺り動かした
茶一族の茶朔洵ですが、今後暫く秀麗の傍に
出没し続けて、静蘭を悩ませるのかな?
と思っていましたけど、今巻の最後で
あっさり退場してしまいましたね‥
この展開はちと予想外って感じでした。
まぁそのキレ者ぶりから、あっさり誰かに殺されるとか
そういう展開は無いだろうな、とは思っていましたけど。
やっぱひとまず秀麗の恋方面の展開はおあずけって感じで、
当分の間は官職(茶州の州牧)に全力投球、
といったところでしょうか。今回は茶州が舞台のため、
出番が少なかった皇帝の劉輝は、
果たして今後秀麗を振り向かせる事が出来るのでしょうか‥?(^^;)