「世界中が雨だったら」(はてな年間100冊読書クラブ 69/100)
- 作者: 市川拓司
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/06/29
- メディア: 単行本
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- ラブストーリーを期待していたのに‥
「いま、会いにゆきます」や「恋愛寫真」などで御馴染みの
市川拓司さんの小説ですね。これらの作品が恋愛小説ですから、
今回読んだ「世界中が〜」についても、市川さんという作者買いで
どういう内容の小説なのか知らないままでした。
個人的にはラブストーリーを期待していましたが(^^;)
しかし残念ながらこの小説は、
ラブストーリー(がメインでは)無く、
今までの市川さんの作品とは少し毛色が違っているなぁ、
という感じがしてしまいました。この本は、
3本のショートストーリーからなっていますが、
いずれのストーリーの主人公も、
「愛に飢えている」設定となっていますね。
- 殺人だ死体だという展開は、「いま、会いにゆきます」から
は想像出来ないかも‥(^^;)
そんな中で、うち2人が殺人を犯し、もう一人は自殺を図る、
という感じで、少々グロテスクな面もあります。
まぁ、普通の作家さんなら、こういう作品もありなのでしょうけど、
今回の場合は、前述のような期待をして読み始めたため、
「市川さんには、こういう作品は期待していないんだけど」
と言いたくなってしまいました‥(^^;)
殺人だ死体だという展開が多くて、
またその殺人を起した理由も、自分勝手なものであり、
本を読んだ後味は、決して良くは無いですね。
癒しを求めている時には、お薦めできないかも(苦笑)
タイトルにもなっている「世界中が〜」のストーリーは、
いじめられて自殺を図る少年が主人公なのですが、
少年が最愛のお姉ちゃんに最後の別れを告げようとする場面とか、
読んでいて切なくなってしまう箇所もあったりしましたね。