「夜回り先生の卒業証書―冬来たりなば春遠からじ」(はてな年間100冊読書クラブ 48/100)

夜回り先生の卒業証書―冬来たりなば春遠からじ

夜回り先生の卒業証書―冬来たりなば春遠からじ

  • 「子供たちに共感してあげること」が大切

夜回り先生」として、夜の街で少年少女達を守ろうと
草の根活動を続けている、水谷修さんが書かれた本ですね。
水谷先生の夜回り活動において、先生は
「とにかく子供たちに共感してあげること」が
大切だと説いています。言葉をかけるだけではなく、
自ら子供達の視線まで、降りて来ることが重要だとしていますね。
自分が相手を思いやっていること、その気持ちが伝われば、
大人不信状態に陥っている夜の街の少年少女も、
心を開いてくれるそうですね。しかし、他人の子供に対して、
ここまで真摯に対応出来る水谷先生はやはり凄いな、
と改めて実感しました。

  • そんな先生も、体調の悪化等で「先生」は辞めることに‥

また、水谷先生は体調の悪化などを理由に、
教師を辞めてしまったようですね。
有名になりすぎて、学校へ直接相談の電話等も多く、
他の教員に迷惑になっていたことが原因のようです。
ただ、先生が先生でなくなっても、夜回り活動における
先生への子供達の信頼は変わらないと思うので、
問題はなさそうですね。また先生の生活面においても、
各地からの講演の依頼で、大丈夫そうなので‥(^^;)

  • 夜の街を徘徊する子供たち、原因は大人の側に‥

しかし、この本を読んで「夜の街にあふれる子供たち」
については、原因は子供達側ではなく
我々大人の側にある、ということを改めて実感しました。
家庭内の不和や子供への虐待等、家庭で安らぎが得られない
子供たちが、夜の街に出て行くんだな、と。
そして夜の街には、そんな子供たちを食い物にする
大人たちが多く、子供たちがますます傷ついていく‥
という状況のようですね。
まぁ私も、心境的には夜と昼の間を行きつ戻りつ
しているような状態なので、夜の世界の子供達の
苦しさはある程度は理解出来るかな、と思っています。
夜回り先生のように、「彼らを救う」と言うことは
おこがましいですが、せめて傷つけないようには
したいな、と思いますね。