「本当は病んでいる「幸せな家族」」(はてな年間100冊読書クラブ 43/100)

  • 一見幸せそうに見える家庭の「歪み」によって、弱い子がうつ病に‥

加藤諦三先生の、実体験に基づく「家族心理学」の本ですね。
最近増加傾向にある「うつ病」、そのうつ病の発生要因として、
「家庭内の歪み」を取り上げていますね。
世間から立派な家庭と思われたい願望等から、親や他の兄弟が、
弱い子を追い詰めてしまう「家族いじめ」によって、
弱い子は「うつ病」状態に陥ったりしてしまいます。
例えば、他の同居している兄弟には生活費を要求していないのに、
弱い子にだけ家庭にお金を入れさせている、
等の例が取り上げられています。
そんな歪んだ家庭ですが、外面だけは良いので、
世間的には「幸せそうな家族」と思われてしまい、
弱い子の苦しみや嘆きは全く理解されない、としていますね。
学校で発生するいじめですら、あれだけ大勢の生徒がいながら
なかなか発見できないというのに、
家庭内で発生している「いじめ」が
外見を取り繕っていれば、見つかる筈も無いですよね。

  • 親であっても、いじめる人からは離れよ

著者は、「いじめる人」からは、たとえ親であっても
その傍から離れることが重要だと説いていますね。
他人の不満の捌け口になってはいけない、と。
そして「自分の人生は、他人に左右されるものではなく
自分自身が切り開くものだ」と読者にエールを送っています。
現在いじめられている状態にあっても、
孤独になることが怖くて、その人間関係に
しがみついてしまうことってありますよね‥
私も昔はそんな状態にありました。
加藤先生の著作は、先生の親(父親)との実体験を基にした
本作のような作品が多いのですが、
先生と同じような体験をしてきた
(先生ほど酷くは無いですが)私にとっては、
先生の著書は、相変わらず心の支えになるって感じがしています。