「彩雲国物語(1) はじまりの風は紅く」(はてな年間100冊読書クラブ 40/100)

  • お嬢様とはいえ普通の女の子が、ダメ王様の教育係として後宮へ‥

4月からNHKのBSでアニメ化される「彩雲国物語」の原作本ですね。
「中華風ファンタジー」と聞いていたので、
「「十二国記」シリーズが好きな私にとっては合いそうかな?」
と思って、とりあえず1巻を読み始めましたけど、
なかなか面白かったですね。あらすじをざっくりと説明すると、
「名家のお嬢様ながら貧乏な主人公・秀麗のところに、
「ダメ王様の教育係として、期間限定で貴妃として後宮に入れ」
という依頼が入り、秀麗はお金目当てで(笑)依頼を受けます。
そして宮廷内で、王様と秀麗先生(笑)の奇妙な師弟関係が
はじまって‥」という感じでしょうか。

  • 展開は一種のシンデレラストーリーですよね。

序盤の秀麗の様子は、家計のやりくりに四苦八苦しており、
その様子が微笑ましいというか、庶民性が良く出ていますね。
そんな普通の女の子が、貴妃として後宮に入って、
という一種のシンデレラストーリーであるところが、
この「彩雲国物語」シリーズの人気の理由の一つかな、
という感じもしました。「性格とか気だては良いけど、
容姿は十人並み」なところも含めて‥(^^;)
そして、「ダメ王様は実はハンサムで、加えてダメっぽいところも、
自分を守るための演出で、実は頭は良い」という点も
女の子のハートをくすぐるって感じかな(笑)
もちろん王の周りにも、美形の側近が用意されていますな(笑)
そういえばこの本のイラストは、「アンジェリーク」シリーズで
御馴染みの由羅カイリさんですね。

  • 終盤は一転して宮廷の陰謀劇に‥

私的には、序盤で主人公の秀麗の、「生活は苦しいけど、
常に前向きに生きていく」様子が楽しくて、
秀麗がお気に入りのキャラになったかな、という感じでした。
しかし、終盤はお気楽ムードが一転して、
その秀麗が、宮廷の陰謀に巻き込まれて‥
という展開になってしまいますね。もともとこの作品は、
1巻とはいえ、この小説の発売元である
ビーンズ小説賞」の受賞作であり、その応募作として、
1巻だけで完結するっていう前提で書かれたのでしょうけど、
個人的には「唐突にストーリーの流れが変わってしまったな」
という印象は否めませんでした‥
そこは少し個人的には残念でしたね。

  • 登場人物もパターン化されている気はしましたけど、面白かったです

あと、秀麗の側近の香鈴をはじめとして、
登場人物の多くが「育ての親に忠誠を誓う」という感じで、
ワンパターン化されている点も、
少し引っかかりを覚えてしまいました。
ただ、色々不満な点は書きましたけど、
全体を通してみれば、秀麗のキャラ的な魅力を中心にして(笑)
面白かったお話だったと思います。
次巻以降もこのまま読み続けてみたいな、と思いました。
これはアニメのほうも要チェックかな。
角川ビーンズ文庫」という女性向けレーベルの文庫とはいえ、
ボーイズラブ系では無かったですから(笑)
けど、そういえば秀麗が王宮に上がるときは、
「王様は男色を好んで女性には興味が無い」
という噂が広まっていましたっけ‥(^^;)