「第三の消費スタイル―日本人独自の“利便性消費”を解くマーケティング戦略」(はてな年間100冊読書クラブ 37/100)

  • 日本人は「手軽に購入出来る」利便性を求めている

野村総研が、日本人の消費スタイルを分析して、
「高級志向」「価格志向」だけではなく、「手軽に購入出来る」という
「第三の消費スタイル」がある、と提言していますね。
この本の中では、日本人の消費スタイルを
・「プレミアム消費」(値段は高くても、お気に入りにこだわる)
・「徹底探索消費」(お気に入りにこだわるが、値段も出来るだけ安く)
・「安さ納得消費」(とにかく安ければよい)
・「利便性消費」(便利なら良い)
上記4種類に分けています。この4種類は、どれも皆一定の割合を
占めていますが、日本人は「利便性消費」の割合が
一番多いとしていますね。
この「利便性消費」は、「モノにも価格にも特別のこだわりが無く、
手軽に買えれば良い」というスタイルとのことです。
ヨーロッパなどの外国には、コンビニがほとんど見かけないことなどを
引き合いに出して、日本人の「利便性消費」の多さを証明していますね。

  • 最も割合の多い「利便性消費」層を攻略するのがポイント、としつつも‥

ただ、「この層を攻略出来るか否かがポイント」としながらも、
製品の質や価格に「こだわりが無い」層をターゲットにする訳ですから、
この本の中でも、明確な戦略は打ち出せていないですね‥(^^;)
郵送でレンタルDVDをやり取りできるサービスや、
モデム無料配布で少し前に問題になった「yahooBB」あたりを
「利便性消費向けマーケティング」の一例として
取り上げていますけど、モデム無料配布は最近は見かけないですし、
ちょっとこの部分は説得力に乏しいって感じですね。
マーケティング学的には、従来の手法として重要とされている、
製品(Product)、価格(Price)、販売チャネル(Place)、
広告宣伝(Promotion)の4Pに、利便性(Convenience)が
求められている、ということになるそうですけど。
まぁこの層は諦めて、ターゲットが明確な他の層を目指す、
という手もある、としていますね‥(^^;)

  • 消費スタイルはライフスタイルの変化によって変わり得ます

また、個人の消費スタイルが全て同じかというと、
そうではなくて、例えば食費を切り詰めて(安さ納得消費)
ゲームやアニメ関係には惜しげもなく資金を投入する
(限定版購入など=プレミアム消費)オタク層など、
個人の中でも色々な消費スタイルが混在しているそうですね。
また、結婚によって、それまでの「プレミアム消費」から
妻の退職などによる収入減で「安さ納得消費」に変わったりと、
生活の変化によっても、消費スタイルは変わるそうです。
まぁただこの部分は消費スタイルの分析であって、
マーケティングには直接は結びついていないですよね‥(^^;)

  • 私はこの中だと「徹底探索消費」傾向カナ‥?

私はこの中だと「徹底探索消費」かな、という感じですね。
特に電化製品とかそうですけど、
まず電気店でカタログを貰って来て、
色々比較して欲しいものをある程度絞りこみます。
その後口コミやネットでの評判を元にして
最終的に買いたい機種を決めます
そして電気店や「価格.com」の価格情報で
一番安い店で買いますから‥(笑)
この「徹底探索消費」はメーカー側にとっては
「一番厳しいターゲット」だそうですね‥(^^;)