「プロジェクトX 挑戦者たち〈28〉次代への胎動」(はてな年間100冊読書クラブ 16/100)

プロジェクトX」は、昨年末でテレビの放送は
終わってしまいましたね。こうして本を読めるのも、
あと少しかと思うと少し寂しくなったりします。
ただ、この本を読んでみると、昔の人は仕事熱心というか、
仕事に打ち込んでいた人が多かったんだな〜ということを、
改めて実感してしまいました。
現状の私とは大違いだなぁ、という感じですね(^^;)
これだけ熱心に仕事を出来る事を、
個人的には羨ましく思えてしまいますね。

今回の第28巻「次代への胎動」は、
東京オリンピックの開催を控えて、間に合うように開業を目指し
首都高速ホテルニューオータニの建設を
突貫工事で進める様子が掲載されていました。
これを読むと、やっぱオリンピックのようなイベント開催による
箱モノ建設などによる経済効果というものは大きいなぁ、
ということが改めて実感できましたね。

  • 納期が短くとも、仕事は確実に

また、両方の工事とも、終了期限はキッチリ決まっていて、
それも相当の突貫工事で行われていますけど、
「納期を間に合わせるために」欠陥や手抜き工事が
行われたということは、今のところは発覚はしていないですよね。
昔の人は、そんな切羽詰った状況に置いても
確実に仕事をしていたんだな〜と思います。
もし耐震偽装で話題の姉歯秀次建築士が関与していたら、
「工期短縮にもなるため」喜んで鉄筋数を減らしそうな気が(笑)
でも「姉歯建築士に頼めば、工期の短い設計をしてくれる」
という感じで評判になって、大繁盛するかもしれないですね(笑)

また、首都高速の建設にあたっては、「土地が無い」制約の中で
川の上を通したり、複雑な構造のジャンクションを設計したりして
苦心の上に建設されていた事が窺えました。
先日、小泉純一郎首相が、「日本橋の上から高速道路を撤去しろ」
といった趣旨の発言をしたような記憶がありますけど、
こうやって苦心して首都高速が建設されている事が解ると、
とてもそんな事を安易には言えないな〜って思いました。

他には「たたら製鉄」を復活させる様子も、インパクトがありました。
わずかに残っていた伝承者と、その伝承者に弟子入りのような形で
そばに付き添う鉄鋼会社の社員の「無言の交流(意志伝達)」の
様子とか「あぁ、昔気質の職人さんだなぁ(笑)」
という感じがしましたね。復活までの道のりが厳しかったことも
印象的でしたけど、昔の「たたら製鉄」の手法の復元の様子を見ると、
機械とか便利なものが無かった時代は、
「人間が、時間と手間をかけて、じっくりと良いものを
作っていたんだなぁ」ということを改めて実感しました。
根気が無いと務まらないなぁ、というところですね。