「百寺巡礼〈第10巻〉四国・九州」 (はてな年間100冊読書クラブ 89/50)

百寺巡礼 第十巻 四国・九州

百寺巡礼 第十巻 四国・九州

お馴染み五木寛之さんの「百寺巡礼」シリーズも
これが最終巻ですね。百寺巡りは石段を登る事が多く、
七十を超えた五木さんにとっては厳しかったことも
あったそうですが、百寺巡礼を無事達成して、
充実感も覚えたそうですね。
今回の最終巻は、四国・九州の諸寺を巡っています。
四国は、弘法大師空海の生地・善通寺や、
四国八十八箇所」の第一番札所・霊山寺が紹介されていますね。
また、お遍路さんについての記述も多かったです。
八十八箇所を巡礼すると、
東京から鹿児島位までの距離になるそうですね。
なるほど「歩き遍路」を実施するのは大変なことなんだなぁ、
と改めて実感しました。しかし一度はやりたいと思っていますけど。

  • 唯一の海外への玄関口・長崎には異国情緒溢れるお寺が

九州に名寺は少ないかな、と思っていましたけど、
国東半島の富貴寺大堂や、異国情緒溢れる長崎の崇福寺など、
結構色々ありますね〜。正直意外でした。
長崎の崇福寺は私も行った事がありますけど、
境内に三国志関羽が祀られていたり、
また諸堂が派手な赤色の色調で彩られていて、
「ちょっと日本の寺とは違うな」って感じでしたね。
鎖国の江戸時代、中国人は出島(唐人屋敷)に隔離されて
日本人との交流が禁じられ、普段の行動は自由になりませんでしたが、
お寺参りは許されていたそうです。
そのため、この崇福寺などへ参拝する(=外出出来る)ことを、
中国人は大変楽しみにしていたそうですね(^^;)

あとは、人吉の「人吉別院」が印象的でした。
九州には長崎などの「隠れキリシタン」が有名ですが、
戦国時代に一向一揆等で支配層を震撼させた浄土真宗
キリスト教と同じく、厳しく弾圧されたそうです。
薩摩藩や、薩摩に近いこの人吉の地でも、
真宗が禁止され、信者である事がバレると
死刑になったりしてしまうため、「隠れ念仏」といって、
「まな板の中に阿弥陀如来の図を隠す」といった
隠れキリシタン」と同じような行動があったそうですね。
命を賭けてまで信仰を守る、という
昔の人々の信仰心の強さが印象的でした。
明治時代に入って宗教の自由が認められたら、
それまで禁止されていた筈の浄土真宗の信者が
一番多くなったそうですね‥(^^;)