「ファイナルプロジェクト」(はてな年間100冊読書クラブ 80/50)

  • 架空の企業を舞台にした「改善活動」ですが、リアルに描かれています。

先日読んだ「思考停止企業」という本と同じような感じで、
トヨタリクルート」という勝ち組企業のノウハウを元に
架空の企業を舞台にして、現場改革活動を描いている本ですね。
リクルートのほうは「トヨタ式改善」の導入を
サポートするという感じで、メーカー(製菓工場)が
舞台になっていることもあり、トヨタ式の方が中心って感じですね。
そのため、メーカー(食品メーカーではありませんが)に
勤めている私にとって、非常に馴染みやすかったストーリーでした。
「創業以来の伝統ある工場」のぬるま湯的な環境のもとで、
工場の現場における危機感の欠如や、
向上心を失ってしまったやる気の無い工員、
そして経営トップ層の工場への無関心さなど
「そうそう、うちの会社の現場もこんな感じだよね〜w」って(笑)

  • トヨタ式」改善活動も最初は失敗!

改善活動のほうは、会社が依頼したトレーナーが
アドバイスをして進められますが、
最初は会社側の取り組み姿勢が悪く、
失敗しかけてしまいます‥これもまたリアルさがありますね(笑)
トヨタ式」を導入するだけではダメ、という教訓になっています。
規模が大きくなればなるほど、こういったプロジェクトに関して
「時間が取られてしまう」という感じで
無関心・やる気の無い人が増え、
会議体の欠席率も高くなり、効果がなかなか上がらない
ということは私も実感していますから‥(笑)

  • トレーナーの爆弾発言でようやく目が覚め‥

中間報告で、トレーナーの爆弾発言により
経営層やプロジェクトに参加していた現場管理者の目が覚め、
彼らが本気になって取り組み、
ようやく改善活動が軌道に乗り始めます。
以前は日々のトラブル対策に終われて工場内を走り回っていた
現場の管理者が、トレーナーの意図を理解出来るようになり、
権限委譲も進んで現場の班長もやる気を出していきますね。
まぁラストはもちろん、「改革活動は成功した」で
締めくくられますけど、改革の成功事例だけではなく
失敗事例も織り込まれており、有益な一冊だと思います。
「プロジェクトへの取り組み」という点では、
メーカーだけではなく普通の企業にも応用出来そうですね。