「ALWAYS 三丁目の夕日」感想

  • 高度成長期、活気のある東京が舞台に

もう現在は公開中のこの「三丁目の夕日」ですけど、
実際に見たのは少し前の試写会でした。
マンガが原作ということは知っていましたけど、
読んだことは無いので、それほど期待はしていませんでした(^^;)
しかし、映画自体は予想以上に面白かったですね。
見たあとでスッキリしたというか、心地良かったです。
「もはや戦後ではない」高度成長期の東京を舞台に、
・純文学を目指している作家(吉岡秀隆)と
・田舎から集団就職で上京した少女(堀北真希
の二人を主人公に据え、シーン毎にほぼ交替で
二人のストーリーが展開するという流れになっていました。
舞台は発展を続ける高度成長期ということもあって、
登場する人々も皆元気というか、活気が溢れているって感じですね。
少女の就職先に、テレビ→冷蔵庫と「三種の神器」が
順番に導入されていったり、テレビが来ると力道山のプロレスを見に
近所の人が集まったり、という「昭和世相史」あたりで
よく出て来るような場面も再現されていました。

  • 「冴えない作家の純愛」編

作家のストーリーは、作家は飲み屋の若女将(小雪)に
惚れてしまいますが、そんな状態を逆手に取った若女将から
子供(若女将の友達の子)を押し付けられてしまいます。
しかしその子は作家の小説(作家は純文学志望も、
売れないため児童小説を書いていた)のファンだったため、
「尊敬する先生」ということで作家に懐き、
若女将との仲もそれが縁で深まりますね。
そして作家は(婚約)指輪を買って告白しようとしますが、
そこは作家見習いのためお金が無くて、
指輪のケースだけしか買えませんでした‥(^^;)
しかし、若女将は「指輪をはめて‥」と。
こはちょっとホロリと来てしまったシーンでした。
作家役の吉岡秀隆さんは、普段の吉岡さんとは
少し毛色の違う役でしたけど、上手くこなしていたと思います。

少女のストーリーのほうは、就職先の鈴木オートの
主人(堤真一)がインパクトありましたね(笑)
すぐカッとなる昔懐かしの「雷オヤジ系」で、
少女とケンカになった時の、怒り爆発して沸騰点に達した
大魔神モードの演技が面白かったです(笑)
少女は雇い主とケンカもしながら、仕事をひたすら頑張りますが、
実家に手紙を書いても全く返事が無く、
「実家からはもう見捨てられた」と思ってしまいます‥
しかし、実際には実家の親は就職先の鈴木オートに
毎月娘の様子を案じる手紙を出しており、
「この手紙は娘に見せるな」という感じで、
あえて娘に冷たい態度を装い、
里心がつかないようにしていたってところでしたね。
どちらものストーリーも最後はハッピーエンドで締めた、
心地良い感じに仕上がっていましたね。