プロジェクトX 27 再生の息吹を聞け(はてな年間100冊読書クラブ 12/50)

  • 一人の医師の直感が、多くの人の命を救う

おなじみのTV「プロジェクトX」を活字化したものです。
今回印象に残ったのは、地下鉄サリン事件時における、
医療チームの活躍を描いたストーリーですね。
サリンは使用された例が少なく、
なかなか原因が究明出来なかったのですが、
松本のサリン事件に関わった医者が、地下鉄サリン事件の様子を
テレビで見て、「松本の事件と同じだ」と直感して
東京の各病院に対処法のデータを送り、
これで治療が本格的に始まったそうです。
治療が遅れれば(あるいは間違った治療を施されれば)
更に犠牲者が増えたと思われるだけに、一人の医師の直感・行動が、
結果的に多くの人の命を救った感じになりますね。

  • 病院が広々としている理由は‥

また、患者が運び込まれた病院の一つである「聖路加国際病院」は、
有名な日野原重明氏が当時院長でした。病院を建て替えた時に、
建物内に空きスペースを広々と取ったりして、
「贅沢病院」と揶揄されていたようですが、
日野原氏曰く、「戦災等の緊急事態に備えて、患者さんを
沢山受け入れられるように」広々としたスペースを取ったそうです。
そのスペースは、この地下鉄サリン事件で早速役立ったそうですが、
なるほど、病院の設計にはそういう考え方もあるんだなぁ、と
思いました。
そんな緊急事態は、起こらない方が望ましいですけど‥
他の記事では、「極細繊維」の話が印象的でした。
新製品が売れずに「お荷物事業部」と揶揄されていた部門の
執念の逆転劇が快感って感じでしたね。