「中日ドラゴンズ論 “不気味”さに隠された勝利の方程式」(はてな年間100冊読書クラブ 42/100)

中日ドラゴンズ論 (ベスト新書)

中日ドラゴンズ論 (ベスト新書)

2010年度・2011年度のセ・リーグを制した
中日ドラゴンズは、落合博満・前監督が、
マスコミを遠ざける方針を貫いていたこともあり、
「不気味」なチームと評されることが多いですね。
本書は、中日OBである著者が、自身の現役時代と
引退後OBとしてチームを外から見た経験を元に、
中日ドラゴンズについて、語っている本ですね。
内容的には、まぁ中日ファンであれば、
そしてプロ野球ファンであれば
おおむね既知の内容かな、と思います。
投手力が強力なこと」、「シーズンのヤマ場となる
夏場に焦点を合わせていること」、などが上げられていますね。
中日ドラゴンズの監督力」という章がありますけど、
書かれている内容は、星野仙一監督と落合監督
二人の個人としての監督としての能力についてであったりして、
特に「中日ドラゴンズ」という球団に固有の内容に
ついての記述は、無かったような気がしています…
まぁ、落合監督のような個性的な人物をを監督に据えて
全面的に任せることが出来る、というところは、
球団の能力かもしれないですけど…(^^;)

  • 「10.8」決戦は、巨人が勝ったのもむべなるかな…と

本書の内容で個人的に興味深かったのは、
巻末に収録されている、著者の今中さんと
同じく中日OBの中村武司さん、
巨人と中日のOBである川相昌弘さんとの会談ですね。
巨人と中日が同率で並び、最終決戦で優勝を争った
「10.8」決戦の試合の様子が語られたりして、面白かったです。
当時は巨人所属であった川相さんが、巨人選手の緊迫感や
エース級投手を惜しげもなくつぎ込んできた
長嶋茂雄監督の気合の入った様子を紹介していましたね。
なるほど、ビジターで不利な環境であった巨人が
この試合に勝った理由が、解ったような気がしました。
気合面で、巨人が中日を上回っていた、という感じですね。
また、今中さんで無ければ書けない内容としては、
大阪桐蔭高校の後輩である、平田良介選手に対する
厳しい視線でしたね。「他チームの選手と一緒に調整していては、
決して大成しない」など、平田選手に対しては
厳しい言葉が並んでいました。もっとも、
後輩を気にかけるがゆえの愛の鞭なのでしょうけどね…
その伸び悩んでいた平田選手、ここ2年ほどは
ようやく才能が芽吹いたかのような活躍を見せていますね。
今中先輩の激が、効果あったのでしょうか…?