「裸でも生きる2 私は歩き続ける」(はてな年間100冊読書クラブ 25/100)

裸でも生きる2 Keep Walking私は歩き続ける (講談社BIZ)

裸でも生きる2 Keep Walking私は歩き続ける (講談社BIZ)

  • 熱い情熱を持った著者の事業、順調に進むかと思いきや‥

本書は、「途上国を救うため、途上国から世界に通用する商品を作る」
という熱い情熱を持った著者による、2冊目の本ですね。
「著者の熱い情熱」に支えられた事業は、
日本で初の直営店をオープンして、
著者のテレビ番組「情熱大陸」にも出演も決まるなど、
順調に進んでいくかと思われました。
しかし、著者には更なる困難が待ち受けている
‥という流れの展開ですね。工場のあるバングラデシュでは
信頼を置いていた現地スタッフの裏切りにあい、
結果として、工場を退去する羽目になってしまいます。
そして著者は、代わりの工場探しに奔走する羽目になりますね。
ただ、このようなくじけそうに成る状況の中でも、
工場のスタッフに思いをはせると
著者にとっては、撤退という選択肢は決して無いですね。

  • 2ヶ国目・ネパールでの起業も、困難を極めますが‥

2ヶ国目の事業として、ネパールへの進出を試みます。
しかし、ネパールでは無政府状態が続いています。
他の企業も、事業の継続を諦め撤退が続くような
ネパールでの起業は、困難を極めますね。
また、ここでも再び、パートナーに裏切られたりします。
しかし、そんな状況でも、「ネパールの産物を使って、
世界に通用する商品を作る」という著者の情熱は
決して揺らぐことは無いのですね。
「全てネパールで完結」とはいきませんでしたが、
ようやくネパールでの事業も立ち上がる‥
というところで、本書は終わっていますね。

  • 起業において大切なのは、企業者の夢・情熱・信念

本書は、起業を目指している人にとっては
大いに参考になる内容だと思います。
途上国で何度も何度も困難に巻き込まれても、
著者の、「途上国を救うため、途上国から世界に通用する商品を作る」
という情熱・信念は、決してぶれることは無いのですね。
その強さが凄いと思います。また、
「起業において何よりも大切なことは、夢・情熱・信念である」
ということが、実感出来ますね。夢・情熱・信念を持った
著者の起業は、様々な困難に巻き込まれても、
決して屈することはありません。逆に言えば、
「夢や情熱の無い起業」は、困難に巻き込まれると
簡単に諦めてしまえるため、成功しないとも取れますね。

  • 「夢・情熱・信念」を持った起業家の周りには、優秀な人材が集まる

あと、そのような熱い情熱を持った著者の周りには、
そんな著者をサポートしてくれる優秀な人材が
自然に集まってくる、という感じなのですね。
著者の場合は、一流企業に勤めている著者の先輩や後輩が、
勤めていた企業を辞めて、事業面でしっかりと支えています。
その結果、著者が製品のデザインに専念する、
バングラやネパールを飛び回る事が出来る、という感じですね。
著者と、著者の先輩にあたる副社長との関係は
本田宗一郎藤澤武夫」の関係を思わせますね。
著者自身は必ずしも才能に長けている訳では無いけれど、
夢や情熱を持ち、その実現に邁進している。
そんな著者に共感する人々が、著者をサポートする人材であり、
商品を購入するお客さまである、という感じですね。

  • 「続編」のため、前作を読んでいないと

本書は「続編」という位置づけになっているため、
前作で触れられている、起業の様子等には触れられていません。
具体例が、工場退去のトラブルの話から始まるところなどは、
前作を読んでいないと、ちと唐突な展開だと
感じてしまう可能性もありますね。
ここだけが、本書の唯一の欠点という感じでしょうか。
とはいえ、自分と同世代とも言える著者が、
ここまで熱く情熱を燃やし、行動に出ている様子は
改めて刺激を受けてしまいますね。人間の可能性は無限なのですね。