「年金は本当にもらえるのか?」(はてな年間100冊読書クラブ 7/100)

年金は本当にもらえるのか? (ちくま新書)

年金は本当にもらえるのか? (ちくま新書)

  • 年金制度について、一問一答形式で解りやすく説明

年金といえば、複雑怪奇な制度に加えて、
社会保険庁の杜撰さや未納問題など、
様々な問題を抱えていますね。
本書はそんな「年金」について、
一問一答形式で解りやすく解説してある本ですね。
国民全員が(強制的に)加入していることになっている
年金制度ですから、ある程度の知識を持っておくことは
必須という感じですよね。特に、少子高齢化のあおりを受け、
差引では損になる可能性が高い、我々若い世代にとっては
年金制度の現状を、把握しておく必要があると思います。

この本を読んで思うのは、厚生労働省がいかに狡猾か、
ところでしょうか。年金制度の将来性を考えずに、
権益を守るために(=年金の原資が消費税になると、
原資の管轄が財務省になるため、それを避け現行制度を守るために)
有り得ない不適当な数値(高すぎる金利や賃金上昇率)を使って
年金財政の試算を行い「年金は破綻しない」と主張しているようです。
そして、これらの説明については、一般人では解らないような、
難解極まりない言葉が使われていますね。
官僚の頭の良さが、悪い方面に使われてしまうと、
とんでもないことになってしまいますね‥

  • 年金改革、もはや待ったなしの状況です‥

その他、「現在少子化が解消されても、
年金制度に影響が出るのは、
子供が成人して年金を払い込むようになる20年後以降であること」
といったような、理屈上は確かにそうなのですが
個人的には「目から鱗」的な内容もあったりしました。
我々若い世代は、「老後受け取るために」
せっせと年金を納めていますが、
実際には、我々が納めた年金は、保管・運用されるのではなく、
現在の高齢者のために、そのまま支給されているのですよね。
(これが「賦課方式」)現在の高齢者は、自分が支払ったよりも
かなり多くの年金を受け取ることが出来ているのですが、
我々が高齢者になった時は、少子高齢化によって
年金を受け取る高齢者は増えますが、
年金を納めてくれる若い世代が減少してしまいます。
「最低でも今後20年間、この相関関係が変わらない」
ということを考えると、まさに年金改革は
待ったなしの段階に入っていることが、よく解りますね‥